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民主公約「子ども手当・控除廃止」恩恵は?負担は?

2009年8月24日1時54分

図:  拡大  

 民主党は今回の衆院選の政権公約(マニフェスト)で、「子ども手当」の創設と「配偶者控除」などの廃止を掲げる。新たな給付と負担増が並び、結局、世帯ごとの損得はどうなるのか、わかりにくい。大和総研の試算によると、全体的には収入増となるものの、23歳以上の子どもを扶養している場合など負担増の世帯も出る。

 恩恵が大きいのは、低所得層と中学生がいる世帯。手当の額は一律だが、控除の廃止による負担増の影響が小さく、給付の面からも、児童手当は小学生以下が対象だったためだ。年収300万円程度で中学生が1人いる世帯は、30万円近くの所得増になる。

 ただし、高所得層が低所得層より得をするケースもある。小学生の子どもがいても、所得制限に引っかかって児童手当が給付されていなかった年収800万〜1千万円程度の世帯だ。

 就労の仕方で見ると、夫婦いずれもが一定額以上の収入がある共働き世帯は、配偶者控除が廃止される影響がない。このため、中学生以下の子どもがいれば「片働き」世帯よりもメリットが大きくなる。

 逆に、片働きで子どもがいなかったり、高校生以上だったりした場合は、控除廃止の負担増だけがのしかかる。共働きでも、23歳以上の子どもを扶養している世帯は負担増になる。

 民主党は全体の4%、200万世帯ほどが負担増になると認めたうえで、鳩山代表は「社会で子どもを育むという発想から、理解を求めていきたい」と訴える。また、高齢者夫婦には負担が増えないよう配慮し、公立高校の授業料(年12万円程度)の無償化も打ち出している。「家計の可処分所得を増やして消費を拡大する」と、成長戦略でもあるとの位置づけだ。

 問題は、子ども手当だけで民主党によると年約5兆6千億円かかる財源の確保。児童手当や税控除の廃止で約1兆7千億円ひねり出しても約3兆9千億円足りない。これ以外にも、高速道路の無料化(1.3兆円)など、目玉政策の実現には軒並み巨額の資金が必要だ。

 試算した大和総研の是枝俊悟研究員は「財源が確保できなければ、結局は国債の増発に頼る懸念がある」と指摘する。(生田大介)

     ◇

 〈子ども手当と配偶者控除〉 民主党案によると、中学生以下の子どもがいる世帯すべてに1人あたり月2万6千円(10年度は半額)の子ども手当を支給する。所得制限は設けない。現行の児童手当(5千〜1万円)は廃止する。一方で、妻(夫)や子どもらを減税対象とした所得税の「配偶者控除」と「一般の扶養控除」(0〜15歳と23〜69歳の扶養家族が対象)を廃止する。

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