現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. ビジネス・経済
  4. コラム
  5. 経済を読む
  6. 記事

海外投資家離れ、国債保有2割減 欧米より低金利

2009年9月24日3時23分

グラフ:  拡大  

グラフ:  

 昨秋からの世界的な金融危機を受け、海外投資家による日本国債の保有額が大きく減っている。ピークだった昨年9月末に比べ、今年6月末時点で約2割、10.9兆円減少。巨額の国債残高を抱え、安定消化に向けて保有者層の多様化を進めてきた財務省には、痛手となっている。

 日本銀行が四半期ごとに発表する資金循環統計によると、海外投資家の6月末の国債保有額は41.4兆円で、国債全体(676兆円)に占める割合は6.1%。ピークだった昨年9月末の52.3兆円(保有割合は7.7%)から3期連続で減少した。

 財務省は「金融危機の影響で、海外のファンドが損失穴埋めや投資家への返金などのため、保有資産を売る動きを強めたことなどが要因ではないか」とみる。

 もともと日本では、国債の大半を国内の金融機関などが保有している。海外投資家の保有率は、米国やドイツの約5割、英仏の3割台に比べて、著しく低い。

 保有者層が偏ると、市場環境が激変した場合に一斉に同じ動きを取る恐れがあり、安定消化に懸念が出かねない。そのため財務省は05年から、欧米や中東、アジアなどで投資家に国債を売り込む説明会を実施。その成果もあり、外国人の保有割合は03年ごろの3%程度から増え続け、昨秋には8%近くに達した。その流れが、金融危機のあおりで逆行したかたちだ。

 一方、国内の金融機関などにとっては、国債は低リスクの運用手段として依然、需要が高い。そのため、10年満期の国債の金利は1.3%台と、3%台が中心の欧米先進国に比べて低い。日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは「現状の低金利では、海外投資家にとって日本国債の魅力は薄い。金融危機が落ち着いても、保有割合を増やし続けるのは難しいのではないか」と話す。(生田大介)

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内