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「財政、持続可能か心配」 武藤敏郎・大和総研理事長

2009年12月26日1時27分

写真:インタビューに応じる武藤敏郎・大和総研理事長=東京都千代田区インタビューに応じる武藤敏郎・大和総研理事長=東京都千代田区

 大和総研の武藤敏郎理事長(前日本銀行副総裁、元財務次官)は25日、朝日新聞のインタビューに応じた。2010年度予算案に対し財政悪化の懸念を示したうえで、「アジアの経済成長を『アジア内需』ととらえ、成長戦略を描くべきだ」と述べた。主な発言は次の通り。

 ――予算案への評価は。

 「一般会計に対して税収が少なく、財政運営がサステイナブル(持続可能)でないことが一番の心配の種だ。一度ふくらんだ歳出のカットは難しく、いつまでも『埋蔵金頼み』ともいかない。日米欧3極の財政赤字が拡大するなか、グローバルな長期金利上昇懸念が大きくなっている。政府が財政に無頓着だと、市場が思わぬ反応をし、デフレ下での長期金利上昇という困ったことになりかねない」

 ――デフレ脱却はいつごろと見ていますか。

 「12年までデフレは続くだろう。価格変動の大きい食料やエネルギーを除いた消費者物価指数が前年比1%程度下がっている事態は、相当深刻に受け止めている。2000年代初頭のデフレ時よりも今回の方がはるかに落ち込みが大きい。長期的なデフレの悪影響に留意する必要がある」

 ――日本銀行も「デフレ」を認め、追加の金融緩和に踏み切りましたが、政府との意思疎通に問題はありませんでしたか。

 「今後の課題だろう。中央銀行の独立性を確保しながら政府と緊密に連携をとるには、ある意味での『老練さ』が必要だ。今後の金融政策もデフレのなかでかじ取りが迫られ、来年中の政策金利の引き上げは難しい」

 ――鳩山政権の掲げる「内需主導」による景気回復シナリオをどう見ますか。

 「内需主導の必要性は何十年と言われ続けてきたが、日本の巨大な製造業が内需だけで成り立つ訳がない。中国やインドなどアジアの成長力をどう日本の発展に取り込むかという観点が重要だ。『アジア内需』ととらえ、大衆向け普及品などの輸出に力を入れるべきだ。政府もアジアでの日本の位置づけをはっきりさせ、成長戦略を早急に描くことが大事だ」

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