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ビール大手4社、競争激化 頼みの綱は「第3のビール」

2010年1月9日1時1分

図:  拡大  

 消費者のビール離れや緩まない低価格志向を受け、ビール大手4社は2010年の販売数量を、過去最低水準だった09年よりさらに2〜4%少なくなると見込む。8日出そろった各社の販売計画では、割安な第3のビールに集中し、少しでも販売数量を確保しようとする姿が鮮明になった。

■販売数量の確保狙う

 09年の販売実績は、4社とも前年を2〜3%前後下回った。ビール系飲料にとって代わるハイボールなどの別の酒が大きく伸びたことや、7〜8月の最盛期に長雨などが続いたことが響いた。

 少子化も進み今後大きな市場の成長が見込めないなか、生き残りをかけた競争は激化している。持ち株会社同士が経営統合に向けて交渉しているキリンビールに対し、サントリー酒類の相場康則社長は「全く配慮する気はない」と攻める構えを崩さない。

 販売数量では、アサヒビールが9年連続でトップを死守したが、「第3」に強いキリンとの差は20万ケース(1ケースは大瓶20本相当)と、両社の販売数量からみればわずか1日分にも満たない程度で、過去10年でもっとも少なかった。ただ、業界では、国内シェアは酒税が課税される段階の出荷数量で比較するのが慣習で、それが明らかになるのは15日。アサヒがシェアで「ナンバー1」を堅持できるかは、まだ流動的だ。

 コスト削減も課題だ。キリンビールが今年2工場を閉鎖するなど、各社とも原材料調達や商品配送、生産拠点の効率化を急ぐ。販売促進のための費用は抑えつつ、消費者に商品を売り込む、厳しい状況に直面している。

■風味や価格で差別化

 10年は、総販売量の3割を超えるとみられる第3のビールの競争がさらに激化しそうだ。キリンビールの松沢幸一社長は「まだまだ伸びる分野」と話しており、4社の新商品のほとんどは「第3」。販売計画も前年の15〜34%増と強気の計画が並ぶ。

 カギを握りそうなのが、他社の商品との差別化だ。キリンは、ミネラル分が豊富な硬質の水を使い飲みやすくした「キリン1000(サウザン)」を、3月に発売。サントリーも、糖質ゼロで7種類のホップの風味が特徴の「リラックス」を3月に投入する。これまでになかった特徴の商品で、品ぞろえを強化する。

 低価格戦略を鮮明にしたのがサッポロビール。3月から「ドラフトワン」の製法を変え、主力の「麦とホップ」より安い価格にする。

 アサヒは、09年に前年から37%伸びた「クリアアサヒ」を、さらに伸ばす計画だ。これとは別に、「第3」の新商品も検討している。(内山修)

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