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投資拡大、上海証取躍進 あえぐ東証「アジア1位」陥落

2010年1月14日2時10分

図:  拡大  

 東京証券取引所の2009年の株式売買代金が、初めて上海証券取引所に抜かれた。高成長を背景にした中国の投資熱を裏づけており、投資低迷にあえぐ東証が「アジアの雄」の座を明け渡した。東証はシステム更新や新市場の開設で巻き返しを図るが、差が縮まる気配はない。

 国際取引所連合(WFE、本部・パリ)が各取引所の取引データをドルに換算して比べた。上海は前年の7位から3位に急上昇。東証はロンドンを上回って4位を維持したが、長く保ってきたアジア1位の座は失った。

 09年の上海市場は、株価上昇が取引を呼び込み、さらなる上昇につながる好循環だった。東京市場の日経平均株価は08年秋のリーマン・ショック前の水準まで回復していないが、上海総合指数は09年4月に08年夏の水準である2500を回復。現在は3200前後まで上昇している。

 日興コーディアル証券国際市場分析部の大西史一・共同部長は「中国では株のほかに目立った金融商品が乏しいのも、活況の一因」と話す。

 ただ、外国の投資家への規制が厳しく、取引の大半は中国国内の個人投資家だ。外国の市場と比較しにくい分、上昇局面で急騰しやすく、「外資規制を緩めると、世界の標準的な株価水準まで下落する恐れもある」(大西氏)という。

 それでも、取引拡大の勢いで東証が圧倒されているのは確かだ。このため東証は今月4日から、株式売買システムの取引速度を従来の500倍程度に高め、取引の増加を図っている。海外ファンドの間では、世界中の株価の動きをコンピューターで分析し、事前に組み込んだプログラムで自動的に売買注文を出す取引が普及しており、東証はシステム高速化で海外勢の注文が増えるとみる。

 新システム稼働から1週間あまり。年明けからの株価上昇基調にも支えられ、東証関係者は「売買代金で1割ぐらいのプラス効果があった」と話す。だが、1日の売買代金が活況の目安となる2兆円を超えた日はまだない。

 東証は1、2部の両市場と新興企業向けのマザーズに続き、昨年6月にはロンドン証券取引所と共同出資したプロ向け証券市場「TOKYO AIM(エイム)」を開設した。開示資料は英語だけでも構わないなど海外企業の上場を期待するが、上場企業はまだゼロ。地位回復への決定打はみあたらないままだ。

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