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日航再建策、収益策に甘さ残す にじむ「本体」維持

2010年1月15日2時33分

 日本航空と企業再生支援機構がまとめた事業再生計画案は、大幅な人員削減とグループ会社の整理を打ち出して、思い切ったリストラを印象づける。一方で、収益を回復する具体案の説明は乏しく、将来、公的支援から脱して自立できるか不安も残す。

 計画案は、グループ全体での人員削減人数やグループ会社のリストラについては具体的な数字を示したが、グループ本体の人員削減数や、国内外の路線を具体的にどの程度増減するかなどには言及していない。いったん減る売上高が3年後にはある程度回復し、利益も確保できるという見通しも打ち出したが、そこに至る具体的な戦略と根拠についての説明は乏しい。

 計画案の補足資料によると、(1)グループ全体の人員3割減に対して、本体は17%減(2)路線数は国内外で26減らして200路線弱とする――などとなっており、関連事業は処分しても、本体の事業の骨格は維持するものとなっている。また、国内の不採算路線は撤退しても、別途路線を増やすなど、「ネットワークの維持・拡大」が前提となっている。

 日航の収益悪化の大きな原因が、採算の悪い大型機を多く保有していることだった。燃費がよく、空席を少なくすることができる中・小型機を増やす戦略は再生に欠かせない。しかし、これを進めれば大きな損失を表面化させることになり、経営難の日航は実行が遅れていた。戦略として目新しいものとはいえない。

 営業黒字化の前提として、中国をはじめとしたアジア路線で収益が急速に回復することと、座席の利用率が大きく改善することを挙げる。

 国際線は国内線よりも収益のぶれが大きく、格安航空会社の台頭などで世界的な競争も激化する一方。業界関係者からは「飛行機の入れ替えだけでも膨大な費用。国民の支援を受けながら現状維持をはかる案といえる。国際線から撤退するなど、大きく縮む必要がある」との指摘も出ている。(松浦新、高野真吾)

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