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春闘、労使の隔たり際立つ 定昇や非正社員処遇で対立

2010年1月27日1時21分

 春闘の幕開けとなる26日の労使トップ会談で、定期昇給(定昇)凍結も視野に賃金抑制姿勢を示す日本経団連と、反発する連合が主張を戦わせた。連合は、定昇維持と、非正社員も対象にした交渉を求めたが、厳しい経済情勢を強調する経団連側と議論はかみ合わず、両者の隔たりが際だった。

 経団連の御手洗冨士夫会長と連合の古賀伸明会長は会談で、若者の雇用安定の必要性では一致、共同声明を発表した。だが、賃金については、御手洗会長が「企業の経営実態や支払い能力を踏まえて考える」と、改めて抑制姿勢を強調。定昇の見直しも議論の対象とする姿勢に、連合側が強く反発した。

 会談後、古賀会長は「定昇確保はぎりぎりの方針。経営側がこたえなければ、労使関係そのものを揺るがす」と牽制(けんせい)した。

 並行して開かれた経団連主催の労使フォーラムでも、昨年の春闘で定昇凍結の回答が相次いだ電機連合の中村正武委員長が「凍結して半年、1年遅らせることは認めない」と述べ、「完全実施」を求めた。

 これに対し、経営側は大手企業の労務担当役員3人が交渉に臨む方針を語ったが、経営環境の厳しさを強調することに終始。日産自動車の高橋雄介執行役員は「来年度もまだまだ危機は続き、リスクは顕在化する」と話した。

 東芝の谷川和生執行役専務は「賃金の仕組みや水準は個別労使で考えるべきだ」とし、個別企業の業績によっては定昇維持の見直しもありうることを示唆した。

 一方、連合が傘下労組に今春闘での要求を指示し、定昇維持と並ぶテーマになった非正社員の処遇改善。トップ会談では、古賀会長が「急増した非正社員の道筋をどうつけるのか。ワーキングプア、貧困という社会問題をどう解決するのか」と問題提起した。

 労使フォーラムでも、労働側は「雇用責任が明確に果たせる期間従業員などの直接雇用を基本とすべきだ」(西原浩一郎・自動車総連会長)と指摘。鉄鋼や造船などの労組が加盟する基幹労連の内藤純朗委員長が「コストダウンや雇用の調整弁に使っていたのではないか」と、経営側を批判する場面もあった。

 だが、経団連や経営側は具体的な見解を示さなかった。現段階では、非正社員の待遇改善で成果があがるかどうかは未知数だ。

 今後、各労組が2月までに要求をまとめ、3月中旬の大手企業の一斉回答に向けて、労使交渉が本格化する。(横田千里、江口悟)

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