現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. ビジネス・経済
  4. コラム
  5. 経済を読む
  6. 記事

米国製品、輸出倍増戦略 オバマ政権、アジアに照準

2010年3月13日2時50分

 【ワシントン=尾形聡彦】オバマ米大統領が11日、今後5年で輸出を倍増する「国家輸出戦略」を発表し、アジアに米国製品を売り込む姿勢を鮮明にした。失業率が9.7%と高止まりするなか、輸出主導の景気回復で雇用増につなげる狙いだ。日本へも市場開放の圧力が強まる可能性がある。

 「今年は貿易促進のための使節団を40以上出す。4月15日には、ビルサック農務長官が日本に行く」

 11日の米輸出入銀行の年次会合。輸出戦略を打ち出した演説で、オバマ大統領は日本市場に米国からの輸出を増やす決意を示した。

 農産物の対日輸出の拡大を目指すのが狙いとみられ、特に米国産牛肉の輸入制限の撤廃要求が強まるのは確実だ。

 牛肉輸入制限に対しては、議会にもいらだちが見える。トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)を巡る3月2日の上院公聴会。元農務長官のジョハンズ上院議員(共和党)は、安全性への懸念を理由にした日本の牛肉輸入制限を引き合いに、「日本政府が日本車の安全性を保証するまで、米国は日本車を一切輸入しないといったら日本ではどういう反応があるだろうか」と言及。農務長官の訪日に伴って、制限撤廃を求める声がさらに高まる可能性もある。

 オバマ大統領が輸出拡大を目指すのは日本ばかりではない。大統領は11日、「アジア・太平洋地域は、米国の雇用増や21世紀の繁栄につなげるうえで欠かせない地域だ」とアジア市場の重要性を強調した。中でも照準を合わせるのが中国市場だ。オバマ氏は「中国がより市場志向の為替レートに移行していくことは、世界的な不均衡の是正に向けて不可欠な貢献をもたらす」と述べ、人民元の対ドル相場の切り上げを求めた。ドル安を通じて中国への輸出を増やす思惑がある。

 ただ、オバマ氏は、世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)については「野心的かつバランスのとれた合意に向け、努力を継続する」と従来通りの一般論を述べるにとどまった。妥協を強いられる米国内の農業界からの反発を背景に、オバマ政権はドーハ合意への消極姿勢をにじませ続けている。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介