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混乱続く富士通、説明不足に役員からも批判

2010年3月19日1時51分

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 現経営陣と、社長辞任の撤回を求める野副州旦(のぞえ・くにあき)氏(62)の対立が続く富士通で、企業統治と情報開示のあり方が問われている。混乱はさらに長引く可能性もあり、「問題に深くかかわった取締役は退任し、区切りをつけるべきだ」との声が、取締役の間からも出始めた。

 「様々な報道がされる中で、従業員の皆さんには大変なご心配をおかけした」。富士通は、東京証券取引所から「適切な説明が行われていない」として厳重注意処分を受けた翌日の10日、従業員に間塚道義会長兼社長名でメールを送り、平静を呼びかけた。

 富士通は昨年9月、野副氏の辞任理由を「病気療養」と説明したが、今月初めに野副氏の辞任取り消し要求が報道されると、「取引関係を持つことがふさわしくない企業と関係を継続したため」と訂正。だが、一度も記者会見を開いて説明しておらず、社内では「何が起きているのか全然分からない」(中堅社員)との不満も出ている。

 社外の目も厳しい。日本証券業協会の安東俊夫会長は17日の定例会見で「東証1部上場の著名な会社がこういうことをして、恥ずかしい」と苦言を呈した。

 富士通では4月1日には山本正己副社長(56)が社長に昇格し、新体制が発足するが、野副氏との対立は訴訟に発展して長期化する可能性もある。このため、4人いる社外取締役からは、早く説明責任を果たし、事態を収拾するよう求める声が出ている。

 昨秋の辞任劇を主導したのは数人の役員。辞任直後の取締役会で初めて問題を知った役員もいた。取締役の一人は「野副氏は納得してやめたのかと思っていた」と困惑気味だ。

 信頼回復に向けて、一つの節目とみられるのが、今月下旬の定例取締役会だ。ある取締役は「今の混乱の原因をつくった人は自ら身を引くのが一番いい」と話す。

 富士通の経営関係者の中では、野副氏と秋草直之相談役(71)の間に経営をめぐる意見の違いが生じたことが、辞任問題の背景にあるとの見方がある。野副氏側によると、秋草氏は野副氏が辞任を求められた場に立ち会っていた。今も取締役の1人として経営や人事に強い影響力を保っているとされ、去就に注目が集まっている。

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