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新国債「固定3年」、損か得か!

2010年6月2日11時49分

 6月3日、償還期限3年で固定金利の個人向け国債が新たに発売されます。

 すでに売り出されている個人向け国債には、固定金利のものと変動金利のものがあります。これまであったのは、固定金利で5年預ける「固定5」と、半年ごとに金利が見直される変動金利で10年間預ける「変動10」の二つでした。

 今回、固定金利で3年間預ける「固定3」が加わります。

 「新発売」というので、ちょっと期待してしまいますが、現状から言えば、それほど魅力的な商品にはならないのではないかと思います。

 すでに発売されている「固定5」の利率は、第18回債(今年4月15日発行)で年利0.48%(税引き前)。ゆうちょ銀行の5年物定期貯金が0.2%なので、これに比べれば少しお得なような気がします。ただ、ゆうちょ銀の貯金ならいつでもおろせますが、「固定5」の国債には、2年間引き出すことができない期間があるのです。

 もし2年の間に金利が上昇した場合、預け直すということができないのです。また、急にお金が必要になっても、この期間中はおろせません。さらに、2年たてばいつでも引き出せますが、償還前の引き出しは、元本割れこそ無いもののペナルティーがあります。たとえば、第18回債を100万円買って、2年後に中途換金すると預けた100万円しか戻ってきません。

 「変動10」は、第30回債(今年4月15日発行)で税引き前年利0.53%。1年間は解約できず、その後は解約できますが、償還前の解約にはやはりペナルティーがつきます。

 今回発売された「固定3」は3年間の固定金利で、発行から1年間は中途換金できないことになっています。利率は、3日の発売と同時に決まりますが、たぶん、銀行に預けたとしても変わらない程度だと思います。

 国債は運用商品として魅力がないだけでなく、国債の大量発行により国の財政事情がさらに悪化するという側面を持っています。それだけに、もろ手を上げては喜べない「新商品」です。

プロフィール

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荻原 博子(おぎわら・ひろこ)

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学習研究社)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。

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