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2012年12月19日
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荻原博子の“がんばれ!家計”

景気回復しても、家計はピンチ!

文・荻原博子

 新政権の経済政策に期待して、株価が上がっています。

 ヨーロッパも落ち着き、アメリカも調子が良くなってきて、日本もこれから大幅な金融緩和と10年で200兆円の公共投資のバラマキをするとのことで、その金を目当てに株式市場は盛り上がっているのです。

 では、このまま景気は回復するのでしょうか。

 私は、ズバリ、景気回復すると思います。なぜなら、すでに過去に実証されているからです。

 皆さんの中には、バブル崩壊以来、不況が続いていると思っている人が多いようです。けれど、2002年から2007年10月まで、小泉内閣、安倍内閣のもとで日本は、“いざなぎを超える”と言われた、史上最長の景気回復がありました。

 この間、株価は2倍になり、実質GDPは2%を超え、企業は大儲(もう)けして100兆円近い内部留保を貯(た)め込みました。

 けれど、5年前のこんな大変な景気回復を、皆さんが覚えていないというのはどういうことでしょう。

 理由は、簡単。景気は回復したけれど、皆さんのところにお金がまわってこなかったからです。

 史上最長の景気回復の間、国税庁の民間給与実態統計を見ると、平均給与は10万円以上下がっています。労働白書では、この間に規制緩和で非正規社員が増え、若年労働者の雇用が抑制され、労働時間の長期化に拍車がかかったとあります。

 しかも、家計はこの間、増税や社会保険料のアップなどに見舞われました。大きかったのは、配偶者特別控除の一部廃止や定率減税の廃止。2006年、2007年に、所得税20%、住民税15%の定率減税が廃止され、実質増税になったことで、通常のご家庭では10万円から15万円の増税になりました。

 つまり、庶民には関係ない景気回復であるどころか、逆に家計からはお金がどんどん吸い上げられて景気回復したと言っても過言ではない。

 同じ安倍政権下で、またまた家計は、増税に見舞われます。前回のような、企業と一部の人が潤うだけの景気回復ではないことを祈りたい!

プロフィール

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荻原 博子(おぎわら・ひろこ)

1954年長野県生まれ。経済ジャーナリストとして幅広く活躍。デフレを見越し、借金を減らし投資を控える「資産防衛」を一貫して提唱。現在、テレビ・雑誌・新聞などを通じて不況時の生活防衛策や、保険、金融、住宅問題など実戦的な提案を発信している。著書に「荻原博子の家計まるわかり読本」(学研パブリッシング)「生命保険は掛け捨てにしなさい!」(ダイヤモンド社)など多数。監修した「ボクたちの値段」(講談社)も好評発売中。

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