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 7月、日本銀行の量的・質的金融緩和の成果や先行きをどうみるかがテーマのシンポジウムで、あるパネリストがこう言いました。「日銀をあまり追い詰めないほうがいい」

 日銀は2013年3月に黒田東彦総裁が就任して以降、大量の国債を買い占め、強力な金融緩和を進めています。周知の通り、目標は2年以内に物価上昇率2%を達成すること。足元の物価は消費税の影響を除いて1%台前半で推移し、目標達成は難しい情勢です。

 先の発言は、2年で2%を無理やり達成しようとすると追加緩和が必要になり、かえって後々の金融不均衡を招いてしまうという指摘でした。一部の日銀審議委員も同じ観点から「目標達成時期を2年に限定せず、中長期の目標とせよ」と発言しています。

 しかし、岩田規久男副総裁は就任直前、国会で「(2年で2%を)達成できないのは責任が自分たちにあるというふうに思う。最高の責任の取り方は辞職することだ」と明言しました。就任前、白川日銀を激しく批判していた副総裁だけに、日銀関係者の間では今も「2%が実現できなければ辞めるべきだ。辞めれば、男岩田の株もあがる」という声がくすぶります。

 そもそも、日本経済と副総裁の首では釣り合いがとれませんが、最後はご本人が決めること。ここは一つ、日銀を追い詰めず、やさしく、来春まで物価の推移を温かく見守ろうじゃありませんか。(「週刊東洋経済」編集部)