米アップルは13日、携帯電話「iPhone(アイフォーン)」、タブレット端末「iPad(アイパッド)」などの部品の調達先や、製造の委託先を初めて公表した。労働条件の悪い外国工場を使っているという批判を受けた対応で、透明性を高めるねらいがあるようだ。
アップルは自社で工場をもたず、アジアなどのメーカーに製造を委託している。しかし、2010年に中国の工場で従業員の連続自殺が起きるなど、現地の労働環境や若年者雇用の問題が指摘されていた。
取引先のリストは、毎年発表している取引先監査の報告書に盛り込まれた。公表されたのは156社で、アップルの総調達額の97%を占めるという。
中国や台湾の企業のほか、日本メーカーとみられる会社も27社ある。ソニー、パナソニック、シャープ、東芝、NECなど大手に加え、銭屋アルミニウム製作所(アルミ加工)、東陽理化学研究所(プレス部品)、大真空(水晶振動子)など中堅企業も含まれている。
人権問題は、若年者雇用や強制労働など22件がみつかり、1社とは取引をやめたとしている。
アップルの調達網や製造網は、最高経営責任者(CEO)を昨年継いだティム・クック氏が確立した。公表にはクック氏の意向が働いたとみられ、スティーブ・ジョブズ前CEOの「秘密主義」からの転換を示している可能性がある。(ニューヨーク=山川一基)