「『気づき』を与える」といった名目での「出向」が明らかになった大京だが、それだけではない。
出向という名の追い出し部屋「まるで会社全体が『追い出し部屋』になった」
自身も「出向」の経験がある中年の男性社員は、リーマン・ショック以降の大京の変化をこう話す。
大京が2008年、社員の1割強にあたる450人の希望退職を募ると、東京・千駄ケ谷の本社の一室に間仕切りされた小部屋ができた。会社側は「希望退職の際の面談用の部屋」という。だがそこに集められた人によると、室内にはパソコンが置かれ、再就職先を探すよう求められた。「朝日新聞の『追い出し部屋』報道を見て、ウチにも似たのがあったと思い出した」と大京の元幹部はいう。
そして、ほかの会社への「出向」が始まった。AIGエジソン生命(現ジブラルタ生命)に行くよう命じられた社員の一人は「マンション販売で培った人脈を生かして富裕層をとりこめと。親類縁者からは確実に契約をとるようにもいわれた」。3カ月間に総額30万円の保険料をえられる契約獲得がノルマとして課せられ、「達成できないときは、自腹を切らされたこともあった」。
「出向」だけでなく、本社でも「閑職」しか与えられず、追い込まれていく人たちがいる。
首都圏の大型マンションを販売するプロジェクトに異動させられた40代の男性もその一人だ。