【吉原宏樹】トヨタ自動車の業績が、2008年のリーマン・ショック前の水準にほぼ回復する。2日に発表した13年4〜6月期決算で、本業のもうけを示す営業利益が過去2番目となり、14年3月期の通期の予想を引き上げた。13年暦年のグループ世界生産台数も1012万台に増やし、世界初の1千万台超えの実現を目指す。
4〜6月期の営業利益は6633億円、純利益は過去最高の5621億円と、いずれも前年の約1・9倍になった。「アベノミクス」による円安の効果が大きく、営業利益を2600億円押し上げた。
これを受けて通期の業績予想も引き上げ、営業利益を5月時点の予想より1400億円多い1兆9400億円とした。リーマン前の過去最高益は08年3月期の2兆2703億円。今回の予想では、7月以降の為替レートの想定を1ドル=90円の円高水準に据え置いているため、足元の100円前後の円安水準が続けば、利益はリーマン前に迫る。
グループ(ダイハツ工業、日野自動車を含む)の世界生産台数は、世界で初めて1千万台を超える計画を昨年に立てたが、尖閣諸島問題による中国販売の落ち込みで果たせなかった。再挑戦になる今年は、当初計画から18万台上積みし、1012万台を掲げた。
トヨタ以外の国内メーカーでも、円安を追い風に好決算が相次いでいる。営業利益は、乗用車メーカー8社のすべてで前年を上回った。円安を受けて、国内で生産した車を輸出に回す割合が高いメーカーの改善が目立つ。マツダの営業利益は前年と比べて20倍、富士重工業も4倍になった。
ただ、先行きにはリスクもはらむ。インドなど新興国で景気が減速しており、海外販売が当初の見通しより振るわないためだ。トヨタは今年の生産計画の見直しでも、消費が持ち直している国内は27万台増やしたが、海外は9万台減らした。
一方、トヨタは2日、14年暦年の単体(トヨタ・レクサスブランドの合計)の世界生産台数を940万台とする方針を、主な部品メーカーに伝えた。13年の計画より50万台多い。国内を25万台減の310万台、海外を75万台増の630万台とする。トヨタは15年に単体でも1千万台超えを視野に入れるが、ものづくりの基盤を守るために必要という「国内生産300万台」の維持は危うくなっている。