2009年9月17日4時0分
【ロンドン=有田哲文】国内総生産(GDP)の計算方法を見直し、長期休暇や環境への貢献など「幸福度」を加える――。フランスのサルコジ大統領のそんな提案が議論を呼んでいる。
提案は、ノーベル賞経済学者であるコロンビア大のスティグリッツ教授とハーバード大のセン教授らが14日にまとめた報告書に基づく。報告書は、これまでのGDPでは「人間の幸福に与える影響がはかれない」と主張。不平等が高まったり、大気汚染が進んだりしてもGDPが増えることになると指摘し、計算の仕方の見直しを求めた。さらに余暇の多さや家事なども加味するべきだとした。
AP通信によると、サルコジ氏はフランスのGDPを見直すとともに、9月下旬に米ピッツバーグで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で各国に同意を求めるという。
報告書に対し、経済協力開発機構(OECD)は歓迎を表明。グリア事務総長が「経済的な富が人々の生活のすべてではない。時間の使い方や地域との関係などが満足のいくものかどうか、はかる方法が必要だ」との声明を出した。
見直しは、長い夏休みなどで知られるフランスには有利だ。ロンドンのシンクタンク、欧州改革センターのティルフォード氏は「サルコジ氏の動機は、1人あたりのGDPで米国との差を縮めることにあるのだろう。GDPが一つの指標にすぎないのはみな知っている。必要なのは、GDPとは別に幸福をはかる基準を持つことだ」と話す。