長野県建設業厚生年金基金(長野市)の年金資産を管理していた外資系のソシエテジェネラル信託銀行(東京都港区)が、十分な調査をしないままファンドに投資していたとして、金融庁は近く金融商品取引法(善管注意義務)違反の疑いで行政処分を出す方針を固めた。AIJ投資顧問による年金資産詐取事件を受けて、金融庁と証券取引等監視委員会が実施した検査で判明したという。
証券市場関係者などによると、ソシエテ信託は同基金から年金資産を預かって運用する「年金信託契約」を結んでいた。ファンド管理会社「アール・ビー インベストメント・アンド・コンサルティング」(同中央区)に言われるまま、未公開株などに数十億円を投資し、多額の損失を出した疑いがあるという。関東財務局はアール社にも警告を出す見通しだ。
同基金はまた、投資運用会社「ユナイテッド投信投資顧問」(同中央区)と「スタッツインベストメントマネジメント」(同千代田区)の2社とも投資一任契約を結び、同じファンドに数億円を投資して損失を出した疑いがある。監視委はこの2社についても、金商法違反の疑いがあるとして金融庁に行政処分を出すよう勧告する方針。
同基金はAIJによる詐欺事件の被害基金の一つで、65億円をだまし取られたとされる。また、AIJをめぐる問題とは別に、同基金前事務長が6400万円を着服したとして業務上横領容疑で長野県警に指名手配されている。(杉浦幹治、鯨岡仁)