【大宮司聡】米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収を通じて米国進出を検討しているソフトバンクは、買収資金をどう手当てしようとしているのか。借金を元手に買収を進めれば、経営は不安定さを増すが、そうしたリスクを承知のうえで事業規模の拡大を優先し、銀行団から巨額資金の調達をめざす考えだ。
みずほコーポレート銀行などメガバンク3行は、買収交渉がまとまれば1兆5千億円規模を協調融資する方向で調整に入った。ソフトバンクの主力取引銀行のみずほが参加銀行をまとめる。今後、ドイツ銀行も加わる可能性がある。近くソフトバンクに融資の意思を提示する見通しだ。
今回の買収案件は巨額のため、短期の融資を実行した後、返済期限の長い融資に切り替える。2006年、ソフトバンクが英ボーダフォン日本法人を約1兆7千億円で買収した際は、まず融資した後、買収先の携帯電話事業の収益を担保に証券を出して投資家から直接お金を集める手法に切り替えており、今回も似た手法を使う可能性がある。
銀行側は携帯事業が安定した料金収入を見込めるため、融資に前向きだ。ボーダフォン買収も当初は買収資金の負担が心配されたが、有利子負債はこの5年で約1兆円減り、結果的に成功。今回も「二匹目のドジョウ」(証券アナリスト)を狙う考えだ。