【ジュネーブ=前川浩之】世界貿易機関(WTO)は23日の会合で、協定違反が確定した米航空機大手ボーイングへの米国の補助金問題を議論した。欧州エアバスとの公正な競争が阻害されて損害を受けたとして、欧州連合(EU)は米国に対し、93億5千万ユーロ(約9600億円)の制裁金を正式に求めた。米国が反発したため、仲裁プロセスに入った。
WTOの紛争処理を舞台に泥沼化している米欧の航空機通商摩擦は、これでほぼお互いに認められている手続きが終わった。
ボーイングへの総額50億〜60億ドル(3900億〜4680億円)の米補助金をめぐっては、今年3月に米国敗訴が確定。一方で、エアバスへの最大180億ドル(1兆4千億円)の欧州各国の補助金も協定違反が確定した。米国も昨年12月、70億〜100億ドル(5460億〜7800億円)の制裁金をEUに科すとし、WTOの仲裁プロセスで保留になっている。互いに制裁金を求める最終段階に入った。