百貨店の高島屋は、福島県の稲作名人が育てたコメの販売に乗り出す。お歳暮用ギフトの目玉とし、店頭でも通年で販売する。放射能汚染の風評被害と戦いながら米を作る人と、買いたい人とをつなぐ試みだ。
郡山市の古川勝幸さん(54)が育てた「特別栽培コシヒカリ」を、5キロ5565円で販売する。古川さんは農薬や化学肥料を使わず漢方などを配合した肥料を用いる栽培法で、コメの味を競う国内最大規模の大会「米・食味分析鑑定コンクール」の金賞を5年続けてとっている。
しかし、東京電力福島第一原発の事故後は、直売していた客のほとんどから注文を断られ、米屋との取引も半分ほどになった。
高島屋が今年9月の東北物産展で古川さんの育てた2010年度産米を売ったところ完売し、約50人が新米を予約。「福島の米を買いたい、贈りたいというお客はいる」と見込み、お歳暮カタログの「東北応援ギフト」の一つに入れた。東京・日本橋の東京店でも11月中旬から店頭販売する。
古川さんは検査機関で独自の放射線検査をし、結果の証明書をつけて売ることにしている。「買ってくれる人には感謝の一言です」と話す。(高重治香)