経営再建中の日本航空は、当初想定していた政府保証付きのつなぎ融資ではなく、政府保証のつかない形で日本政策投資銀行に融資を申請する検討に入った。金融危機で一時的に経営不振に陥った企業が対象の「危機対応融資」は、日航に適さないとの見方が政府内で広がっているためだ。国土交通省は、日航の企業年金を強制的に引き下げる法整備を進めることを表明し、政投銀の融資を促す方針だ。
前原誠司国交相が選任した専門家チーム「JAL再生タスクフォース」が10月29日にまとめた報告書によると、日航は11月末までに最大1800億円のつなぎ融資が必要。国交省や日航は、政投銀などの融資に一部政府保証がつく危機対応融資の活用を検討していた。
ただ、政投銀の危機対応融資の実施には慎重論が強いうえ、企業再生支援機構は2カ月程度で支援の可否を決めるとみられ、それまでの事業継続に必要な額は500億〜1千億円ですむ見通し。国交省や日航は、機構が支援すれば経営破綻(はたん)の可能性も低くなるとみて、あえて政府保証を求めなくても、つなぎ融資は可能との判断に傾いている。
しかし、その場合でも、年金債務が融資の足かせとなることは変わらない。そこで、前原国交相が日航の年金給付を強制的に減額できる法整備を進めることも表明することになりそうだ。