【大宮司聡】放送行政をつかさどる総務省が、次世代の放送づくりに向けた取り組みを加速させる。放送番組を競争力のある輸出コンテンツに高めるための施策づくりや、電機業界を巻き込んで、インターネットとの連携を強めた「スマートテレビ」の実用化支援にも踏み込む。地上デジタル放送の完全移行から半年過ぎ、官民がテレビの未来を模索し始めた。
8日に初会合を開く「放送コンテンツ流通の促進方策に関する検討会」。地上テレビ番組の輸出額は日本は63億円(2010年度)だが、韓国は2倍以上の165億円(10年)。海外では韓国が番組輸出で勢いを増し、日本の存在感は低下している。その状況を巻き返し、東南アジアを軸に海外に番組を売り込み、観光客の呼び込みにもつなげるのが狙いだ。
日本からの番組輸出が思うように進まないのは、音楽や脚本など著作権をはじめとする複雑な権利処理がテレビ放送だけを想定していて、ネット配信や海外輸出を前提にしていないことが大きい。総務省は、放送局やプロダクション、著作権管理団体などを連携させて、迅速に処理する仕組みが整えられないか調整を検討する。海外での放送チャンネル枠の確保や外国語字幕、NHKの国際放送の活性化などの課題も検討する。