資金繰りに苦しむ中小企業に、日本政策金融公庫が低利で融資する「セーフティネット貸付」の新規融資額が、リーマン・ショックから1年たった今でも、前年の3倍という高水準で推移している。景気は持ち直しの動きを見せているが、大企業に比べ、中小企業の資金繰りは依然厳しい状況にあることが浮かんだ。
セーフティネット貸付の利用額は、昨秋の金融危機を受けて急増。ピークの4月には、新規融資額が前年同月の約6倍にあたる5477億円に達した。政府が中小企業対策として金利を基準値から最大0.4%幅引き下げたことも、利用を後押しした。
政府が事実上の「景気底打ち」を宣言した6月以降も、新規融資額は前年同月の3倍前後で推移。10月は同2.98倍の4223億円だった。
セーフティネット貸付の制度は、不況で売上高が減った企業などが対象。政府系金融機関の日本公庫が、民間銀行に代わって中小企業の資金繰りを支えているかたちだ。
日本銀行の9月の企業短期経済観測調査(短観)でも、資金繰りの状況を示す指数は大企業がプラス6ポイントだったのに対し、中小企業はマイナス18ポイントと差は大きい。日本公庫は「中小企業は資金繰りがもともときついだけに、まだまだ厳しい。特に町の商店や飲食店などの零細企業は苦しい状況だ」としている。