総務省が27日発表した10月の完全失業率(季節調整値)は、前月を0.2ポイント下回る5.1%となり、3カ月連続で改善した。厚生労働省が同日発表した10月の有効求人倍率(同)は前月より0.01ポイント高い0.44倍で、2カ月連続で上昇した。昨秋以来の急激な雇用悪化に歯止めがかかってきたものの、先行きは慎重な見方が根強い。
この日の閣議後会見で、長妻昭厚生労働相は「数字は若干良くなっているが、依然として厳しい状況には変わりはない」との認識を示した。
完全失業率は15歳以上の働く意欲がある人のうち、職がなく求職活動をしている人の割合。男性は前月より0.3ポイント低い5.3%、女性は0.1ポイント低い4.8%だった。
完全失業者数は344万人で、前年同月より89万人増え、依然として高い水準にある。理由別では、企業の倒産やリストラなど勤め先の都合が同55万人増の116万人で、自己都合は6万人増の103万人だった。
就業者数は前年同月比117万人減の6271万人で、前月より減り幅が拡大した。
有効求人倍率は、ハローワークで仕事を探す人1人に、何件の求人があるかを示す。景気の先行きを示す新規求人倍率は前月を0.01ポイント下回る0.78倍で、2カ月ぶりに低下した。
正社員の有効求人倍率は前年同月を0.25ポイント下回る0.27倍で、安定した仕事を見つけにくい状況が続いている。
雇用指標の改善は、エコポイントなどの政策効果や輸出の回復で、生産量が今春から持ち直していることを反映している。国が休業手当を助成する雇用調整助成金による下支え効果も大きい。
しかし、政府が3年5カ月ぶりに「デフレ」と認定、物価下落が企業収益を悪化させ、雇用に悪影響が及ぶ恐れがある。来春の新卒採用も厳しさを増しており、専門家の間では「当面は失業率5%台の厳しい水準が続く」(エコノミスト)との見方が出ている。