内閣府は、欧州や米国では物価上昇と景気の低迷が同時に進む「スタグフレーション」とも言える状況にあるとの認識を、2日公表した報告書「世界経済の潮流」で示した。失業率が高止まりしたまま、物価が上昇しているためだ。
報告書は年2回の公表。今年は欧州の債務危機の背景や解説にページを割き、世界経済の現状や今後の見通しを分析した。
物価は世界的に2010年中は落ち着いていたものの、11年には新興国の経済成長を背景に再び上昇傾向に転じたとした。物価上昇率と失業率との各国比較では、中国や韓国では失業率は大きく変わらないものの、米国、英国、ユーロ圏では失業率が高止まりしており、スタグフレーションの懸念を指摘した。
欧州の経済状況も国ごとに分析。輸出主導で企業の収益性が比較的高いドイツだが、足元では個人消費が弱く不透明感が増していると指摘。ドイツに次ぐ経済規模の英国やフランスも、ギリシャやポルトガル、スペイン、イタリアとともに、経常赤字と財政赤字の「双子の赤字」にある。このため、「対外的な資金流入に依存せざるを得ず、財政政策の自由度も狭く、持続可能性の点で脆弱(ぜいじゃく)な構造」にあるとした。