「6月末に自動車ローンの申請をしたときに、3−5日で手続きが終わるといわれたのに、2週間経っても資金が入らない」
車の購入を計画している劉氏は、資金の工面が遅々として進まないことに苛立ちを見せる。記者の取材でも、銀行の資金流動性逼迫の影響が自動車市場に 波及していることが明らかになった。自動車ローンの審査を厳格化し、北京の不動産所有者にしか資金を貸し出さない例もあった。多くの銀行が審査時間を引き 延ばし、サービスそのものを停止しているところもある。新華網が伝えた。−−北京の不動産を要求 「自動車ローンの対象者は、以前は居住地がはっきりしていること以外に特段の規定はなかったが、最近、北京に不動産を持っていることが条件として加わった」
招商銀行の顧客担当者ははっきりと語った。ローンを利用して車を買いたい北京市民は、まず不動産を手に入れないといけないわけだ。このほかにも、銀 行はローン申請者に対し、ありとあらゆる資料の提出を求めている。一汽大衆のディーラーの販売員は「購入レシート、財産証明、社会保険や年金積み立て証明 など、これらの資料をすべて出さないと審査が通らない」と説明した。
このような返済能力の審査以外にも、「優良顧客」を選別する銀行も出てきた。
−−「あなたは優良顧客ですか」
招商銀行の窓口担当者は自動車ローンの問い合わせに来ていた顧客に質問した。「もし優良顧客なら、迅速な審査を受けられます」
記者が中国平安の自動車ローンホットラインに電話したときも、担当者は同様に、優良顧客には優先して資金を貸し出すと説明した。この担当者によると、優良顧客とは過去の債務返済に問題がない人々を指し、最も望ましいのは公務員、教師、弁護士などだという。
優良顧客の定義には多少の差があるものの、基本的には安定収入があることと信用記録に問題がないことが条件で、多くの銀行が優良顧客に優先して貸し出すようになっている。−−審査や資金提供も長期化 調査では、銀行が自動車ローンの審査手続きを遅らせている現象も判明した。中国平安の公式サイトには、抵当なしの自動車ローンの場合「最短1日で貸し出し」と書かれているが、直接電話で問い合わせた際には「少なくとも3〜5日かかります」との返答だった。
審査の停滞だけでなく、審査通過後に資金が提供されるスピードも遅くなり、自動車購入者を焦らせている。
現代自動車のディーラーの従業員は「通常の場合、審査通過から3−5日後には貸し出しを受けられるのだが、今は数日から一週間かかる」と話す。別のディーラーによると、ある大手銀行は、6月に申請を受けたローンは7月に資金を提供するとの通知を既に出したという。
「貸し出し上限に達したため、自動車ローンは既に受け付けを停止している」
そう話すのは興業銀行中関村支店の行員だ。同支店は現在、クレジットカードの分割払いによる自動車ローンサービスしか受け付けておらず、北京銀行の中関村支店も同様にローンを取りやめた。−−自動車市場への打撃は限定的 銀行の資金流動性の悪化で自動車ローンが利用しにくくなることは、自動車市場への打撃となるだろうか。
自動車産業のアナリストは、「もし銀行の資金流動性の逼迫が長期化するなら、自動車ディーラーのみならずメーカーも資金上の圧力にさらされ、市場に影響はあるだろう。回復しつつある自動車市場にとっては、手痛い打撃となる」と分析する。
しかし、影響は限定的だと考える専門家やディーラーもいる。
自動車ローンを利用するのは大都市の消費者で、「地方三、四級都市の市場では、多くが現金で購入する」と、中国自動車流通協会幹部は指摘する。自動 車購入におけるローン利用比率は10−15%に過ぎず、市場全体への影響は決して大きくないというわけだ。審査が厳しくなっているとはいえ、必要な資料を 提出し、過去の債務返済に問題がなければ基本的には貸し出しを受けられることから、北京などの大都市でもそれほどの影響はないとの声もある。
(編集翻訳 浦上早苗)
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