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メロエの素朴なピラミッド スーダン

2008年11月14日

  • 筆者 :風間深志

写真アトバラでナイル東岸へフェリーで渡る写真みんなナイルに入って全身を洗う写真素朴なメロエのピラミッドに感動写真車の下回りなど総点検して一安心写真ハルツームの街。高いビルはめったにない

 11月11日(火)、晴れ。アフリカを旅すると泊まるところには事欠かない、と来る前に聞いていたが、なるほどその通りだった。一昨晩も昨晩も、ガイドを通じて他人の家に無料宿泊。困っている人には気軽にベッドを貸すのがアフリカの人情のようだ。家は広く、どの家にもたいていベッドがいくつもある。きれいな中庭を中心に、それを囲むようにして部屋が並ぶのがヌビアの人たちの家の造りらしい。

 朝5時起床。6時にカリマを出発、いくつかのピラミッドを横目に見た。また今日も東の地平線から真っ赤な太陽が昇り、丸い太陽の中に黒いシルエットでラクダが2頭浮かび上がった。そんなウソのような、絵に描いたような瞬間が、ラクダがあちこちにいるからいくらでも見られる。

 素朴なアフリカの朝には、思わずカメラのシャッターを押したくなる瞬間がいっぱいだ。朝日に浮かぶ崩れかけた土壁の家、鶏や羊の姿、子どもを背負う女性。無垢で飾り気の無い被写体があり過ぎるほどある。

 午前10時、バユダ砂漠を一気に横断する延長283キロの道の中間地点。一軒ポツリと突っ立っていた“掘建て小屋”は、聞くと正真正銘のドライブイン。さっそくコーヒーを頼むと,出て来たのは何とジンジャー・コーヒーだった。所変われば品変わるで、コーヒーの味もいつの間にかトルキッシュから生姜風味になった。ここで、仲良しになった青年たちに「運動器の10年」のバッジを手渡す。

 正午、アトバラのフェリー乗り場に着く。ここからナイルの東岸に渡り、市内を抜けて国道を南下する。10分も走らないうちに左手の山の麓に何やら黒いピラミッドがいくつも見える。あれが紀元前からこのあたりで栄えたメロエ王朝の王たちの墓だ、という。エジプトのピラミッドに比べて、なんともひっそりとして重厚な存在感が良い。砂に埋もれ、崩れたままに時代の経過を物語っている。

 そこから200キロ、夜の8時にスーダンの首都ハルツームに着く。本日の走行480キロ。

 11月12日(水)。ハルツームとは「象の鼻」の意味らしい。右のブルーナイルと左のホワイトナイルが合流してナイル本流となる位置だ。

 今日一日は、ここまでの第一関門突破で埃だらけになった車の整備と掃除、そしてこれからの苦難の第2ステージ(エチオピア〜ケニア)に向けての装備品の調整などを行う。場所は8月にスバルの正規代理店になったばかりのディーラーの工場を借りる。そこでオイル交換、フィルター交換、全ての箇所の総チェック、最後に洗車もして、人も車も、身も心もリフレッシュ。

 (PHOTO by Y.MORINAGA)

プロフィール

風間深志

かざま・しんじ。冒険家。1950年、山梨県出身。85年、バイクでエベレスト登攀、標高6005mの世界記録樹立。87年、バイクによる北極点到達。92年、バイクによる南極点到達。いずれも史上初。ほかバイクによる冒険、レース参加等多数あり。88年より『地球元気村』(その後NPO法人化)を運営。全国各地をフィールドに自然を軸とした地域づくり・人づくりに取り組んでいる。

 主な著書に『地平線への旅』(文芸春秋)『2DKと大自然』(大和出版)『10万回のキャスティング』(インフォレス)など。

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