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ビクトリアフォールに神を見た

2008年12月24日

  • 筆者 :風間深志

写真夜になって、リビングストーンの手前からもの凄いダートとなった写真今回のアフリカ旅行で一番感動したビクトリアフォール

 12月18日(木)、晴れ/曇り/雨。ダグラスの熱は朝になって少しおさまった。ケニアから我々と合流してから疲れがたまったのだと推測する。本人は「もしやマラリアでは」と心配していたが、病院の検査(こちらの病院ではすぐにマラリア検査をしてくれる)では陰性だった。

 今日は大事をとってリビングストーンで終日停滞とし、午前中を車の整備とオイル交換、午後をビクトリアフォールの見学とした。

 ここまで1万2500キロを走破したフォレスターとダイナは、毎日快調に走っている。前回のオイル交換は7000キロ走行時にナイロビで行っているが、それ以後はおおむね良好なアスファルト走行。ときどき大きな穴やダートが現れるので予断を許せないが、毎日毎日ハンドルを握っていると、相手が車とはいえ「一心同体」の気分になって、互いの気持ちが通じ合うようになる。これは本当の話だ。車の痛みは自分の痛みも同然だからこそ、最後まで確実に走ることができる。そうならなければ長旅はできない。

 午後、ザンビア最大の観光名所ビクトリアフォールに行く。ゲートをくぐり、ものの20mと歩かないうちに前方の木々の間から流れ落ちる白いカーテンが見えてきた。ものすごい轟音。さらに近づいていくと、 

吹き上げる水しぶきと共に正面の視界いっぱいに何十本もの巨大な滝が流れ落ちていく。その高さははるか下方に108m、幅は東西に1.6キロ。見上げれば七色の虹が弧を描き、我々がここに来たことを祝福してくれているようだった。

 「神がいる」。思わず、そう思った。1855年に初めてここに来た探検家リビングストーンも、そんなふうに思ったのだろうか?(あとで調べてみるとまったくその通りで、「エンジェルに見つめられた」と記していた) 何も語らない大自然の迫力と雄大さを目の前にした時、人間はその姿に畏敬の念を抱き「神」を思うのだと思う。

 1時間のつもりで見学に行ったビクトリアフォールだったが、気持ちのいい水しぶきを全身に浴びながら、あまりの爽快さと雄大さに身も心も洗われた。そして、行き交う外国人も地元の人も、みんな神々の水で洗礼を受けた天使の顔だった。

プロフィール

風間深志

かざま・しんじ。冒険家。1950年、山梨県出身。85年、バイクでエベレスト登攀、標高6005mの世界記録樹立。87年、バイクによる北極点到達。92年、バイクによる南極点到達。いずれも史上初。ほかバイクによる冒険、レース参加等多数あり。88年より『地球元気村』(その後NPO法人化)を運営。全国各地をフィールドに自然を軸とした地域づくり・人づくりに取り組んでいる。

 主な著書に『地平線への旅』(文芸春秋)『2DKと大自然』(大和出版)『10万回のキャスティング』(インフォレス)など。

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