2010年10月23日
何が何でも開催する! そんなゴリ押し感に圧倒されながらも、そこにサーキットがあればF1は走る。付帯設備がどうであれ、主催者はグランプリを開催すればペナルティーはつかず、そしてFOMは満足する。こんな構図でいいのだろうか?
路面のトラブルが予想されていても、また関係者の宿すらまともなホテルに確保できない状況でも、それでもF1グランプリは開催される。一番大切なファンに対しても仮設の観客席は間に合っていないし、トランスポーテーションも不便きわまりない。だがそれでもグランプリは開催される…
テレビの放映権とグランプリの開催権利でお金が集まるのであれば、今やF1は世界の地の果てに行ってでもグランプリを開催するつもりのようだ。もちろん、F1がモータースポーツの頂点として広まり人気が出る事は嬉しいのだが、やはりグランプリを開催できる環境とタイミングを計る必要はあると思う。
僕は今回の韓国グランプリは主催者に思いっきり背伸びをさせたような気がしてならない…どうみても国を挙げてという状況にはなっていないし、手を上げたからにはやらなくては…あるいは手を上げたのだからやれよ! そんな追いつめ、追いつめられた両者の雰囲気が伝わってくる。
来年以降、インドやロシアのグランプリも開催されることになる。拡大する一方のグランプリサーカスは今や「村」ではなく、ビジネス共同体のようでさえある。そう、レース屋の集団がいつの間にかビジネスマンの集団へと変貌を遂げたのだ。
例え油まみれの作業着を脱ぎ捨てて、スマートなスーツに着替えアタッシュケースを持ってみても、それは見せかけの変化にしか過ぎず、本性は何も変わっていないはず。レースが好きだから…どうかこの原点を忘れずにいて欲しいと心から願いつつ、どうか今週の韓国グランプリが無事に終了するようにと願っている。

1957年東京浅草生まれ。1987年、ブラジルグランプリでF1を初撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年より、F1グランプリなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。
2004年、記事主体の既存F1誌に満足できず、最高の写真を見せたいと、グラフィック誌F1SCENEを創刊。編集拠点をF1の本拠地ヨーロッパに移し、ヨーロッパの文化と日本の感性の融合を合い言葉に「Team ZERO」を率いて「出版の壁」に挑む。