2011年11月28日
「See you in the next season!」「Have a good winter!」誰もが旧友との別れを惜しむかのように硬い握手を交わし再会を誓いそれぞれの故郷に帰って行く、仕事上ではライバル関係にもなるのだが、今日ばかりはそんなものは関係なく、これもシーズンエンドならではという光景だ。
1年間同じ立場で撮影を続けてきたフォトグラファー同士の結びつきは想像以上に強い。1年間に19戦、そして冬のテストなどを入れるとシーズンに20回以上は顔を合わしているのだからそれも当たり前か?
もちろんドライバーをはじめチーム関係者も同様に皆挨拶を交わして、サーキットを後にする。余り知られてはいないがドライバーの集合写真の直後に、同じ場所でチームの広報やFIAの広報担当などが集合写真を撮るのもいつの間にか習慣となっている。
「F1グランプリ」はよくサーカスに例えられるが、実際に中にいると似たようなものだと思うことが多い。ドライバーやチーム関係者も想像以上にフレンドリーで、お互いに美味しいレストランを教えあったり、何かと便宜を計ったりしあうこともある。シーズンオフの冬を過ごし開幕の春を迎えると、ああ帰って来たな…もはやそう思える場所になっている。あって当たり前、無いのが不思議でもあり、既に体の一部のようになっているのかもしれない。
それが良いか悪いかは別にして人をここまで虜にする何かがF1グランプリにはあるのだろう。
肝心のレースだが結果や情報は既に様々な媒体でご存知だと思うので詳しく触れはしないが、2011年はよくも悪くもベッテル、レッドブルの年だったと思う。
最終戦もある意味では想像通りの展開となったが、ウェバーの今季初勝利とベッテルの2位と、まさしくレッソブル中心のシーズンを締めくくる内容だった。
マンセルの記録をあっさりと破ったベッテル、もちろん来シーズンも中心となるドライバーに間違いないが、果たして今年のようにワンサイドのゲームができるだろうか? そして最大のライバルとして立ちはだかりそうなマクラーレン、フェラーリ、実際にマシンが走るまで来シーズンの展開を自分の中で繰り広げるのもオフの楽しみのひとつだろう。
さて僕はと言えば、これで暫くは旅からも開放され普通の生活に戻れる。
日本で過ごす時間は確かに気楽でいいのだが、しかし刺激が無いと物足りなくなっているも事実なのでいつまでじっとしていられるのだろうか?
パーティーは終った、そしてまた始まる…
2011年も拙い文章に懲りずにお付き合いしてくださった読者のみなさん、来シーズンもまた同じ場所でお会いできることを楽しみにしております、本当にありがとうございました。

1957年東京浅草生まれ。1987年、ブラジルグランプリでF1を初撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年より、F1グランプリなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。
2004年、記事主体の既存F1誌に満足できず、最高の写真を見せたいと、グラフィック誌F1SCENEを創刊。編集拠点をF1の本拠地ヨーロッパに移し、ヨーロッパの文化と日本の感性の融合を合い言葉に「Team ZERO」を率いて「出版の壁」に挑む。