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東京モーターショー2009

「あのころ」のオートバイ 原点回帰のホンダCBとヤマハSR

2009年10月28日

写真ホンダ「CB1100」=26日、幕張メッセ

写真流麗な曲線が美しいCB1100のエキゾーストパイプ=26日、幕張メッセ

写真ヤマハ「SR400F.I」」=26日、幕張メッセ

 エコ技術が注目されている東京モーターショー。二輪車も例外ではなく、燃料電池や電気を動力源にしたモデルが多く出展されている。しかし、一方でオートバイの走りの楽しさを追求した、いわば「原点回帰」ともいえるモデルも目についた。そんな2台に注目してみた。(アサヒ・コム編集部)

写真で見るCB1100とSR400F.I

 ひとつは、ホンダの市販予定車「CB1100」。「だれが見てもCBとわかってもらえる、そんなデザインコンセプトで作り上げた」というフォルムには、車名に「CB」を冠した往年のモデルの面影が見て取れる。

 並列4気筒エンジンから伸びる4本のエキゾーストパイプは、流麗な曲線を構成しながら1本にまとまり、マフラーへと流れていく。「おお400。お前は風だ」のコピーがカタログに踊ったCB400Fourが起源であることを直感できる。

 「風」は、このモデルを語るキーワードかもしれない。エンジン冷却には、走行風を利用する「空冷式」をあえて採用した。近年の二輪車は水冷エンジンが主流。性能面でも設計効率の点でも有利な水冷式を採らず、あえて空冷エンジンにこだわった理由は?

 「エンジンがもつ造形美を見て欲しいんです」とホンダの担当者。繊細そのものの冷却フィンは、その厚みや形状の細部までデザインを練り上げた。エンジンのフォルムや構成部品のすべてにこだわりがあるという。

 メッキ部品を多用した車体は、「単車」と呼びたくなるような正統的なスタイルだ。カウルでエンジンを覆ってしまう「レプリカ」タイプなど、最近定番のスポーツバイクとは一線を画した原点回帰のスタイルを貫いた。飛びぬけたエンジン性能よりも、美しさや使いやすさ、そして走る楽しさを取り戻することが存在意義なのだろう。

 「40代、50代のCBファンに、もう一度『あのころ』を思い出してほしい。若い人が見てもかっこいいと感じる、ゆっくり走っても楽しい、そんなオートバイをめざした」という設計コンセプトがよく分かる。

 一方、1978年3月の発売から30余年ずっと変わらず、その姿と魅力を失っていない「不朽の名車」が、ヤマハのSR400だ。

 空冷単気筒エンジンを採用した、あまりにもシンプルなスタイルは、多くのファンの心を魅了し続けてきた。セルモーターは装備されず、今となっては希少な「キック」でのエンジン始動。通常なら不便とされる「儀式」が、大排気量・単気筒エンジンを始動する楽しみに変わっている。

 今回出展された「SR400F.I」は、気化したガソリンをエンジンに供給する装置を、従来の機械式キャブレターから電子制御式燃料噴射装置(フューエル・インジェクション=F.I)に変更した参考出品車。

 伝統的な軽量、スリム、コンパクトの設計思想はそのまま。インジェクションの採用で現在の厳しい環境基準をクリアし、「SR」が放つ独自の世界観を発信し続ける。

 これからの時代、二輪でもエコを意識することは大切なこと。しかし、オートバイは休日の自由な時間を楽しみ、大人が心に余裕を取り戻すための「相棒」として大切な存在でもあることを、この2台は提案してくれている。

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