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2011年12月2日
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東京モーターショー2011

大矢アキオのイタリア発アモーレ!モトーレ!特別編

軽ほど面白いショーカーはない!

クリックすると拡大します 拡大 ダイハツ「FC商CASE」

【主要諸元】 FC商CASE
全長×全幅×全高 3,395×1,475×1,000mm
ホイールベース 2,450mm
定員 4名
燃料電池 個体高分子型PMfLFC (35kW)
2次電池 リチウムイオン電池

クリックすると拡大します 拡大 ダイハツ「PICO」

【主要諸元】 PICO
全長×全幅×全高 2,400×1,000×1,530mm
ホイールベース 1,815mm
定員 2名 (大人1+小児2)

クリックすると拡大します 拡大 スズキ「Q-Concept」

クリックすると拡大します 拡大 トヨタ車体が参考出品した小型EV「B.COM」

クリックすると拡大します 拡大 ダイハツの軽コンセプトカーにカメラを向ける外国人記者たち

 東京モーターショーが報道関係者に公開された。トヨタ「86」だ、その姉妹車スバル「BRZ」だ、と多くの報道陣が殺到するのに背を向けて、ボクが真っ先に向かったのは、何を隠そうスズキとダイハツのブースであった。(大矢アキオ)

写真で見るダイハツの出展ブース写真で見るスズキの出展ブース

 なぜなら、軽自動車やEVコミューターのコンセプトカーが展示されているからである。欧州各地のモーターショーに、それらが再び展示される確率は、けっして高くない。東京で観ておかないと、観られなくなってしまうかもしれないのだ。まさにご当地もの。東京駅の地下通路でご当地スイーツの長い列に並ぶ人と同じ心境といってよい。

 それ以外にも、軽コンセプトカーの魅力はある。普通のコンセプトカーが無限に想像を広げられる足し算だとすると、軽のコンセプトカーは軽規格という制約のなかで、いわば方程式を解くような努力が内外に感じられるのである。

 

 ■我が家のひと部屋にしたい

 そんなボクの期待に今回もっとも応えてくれたのは、ダイハツが出品したコンセプトカー「FC商CASE」である。フラットな室内という企画は従来もあったが、シートはもとよりハンドルまで格納でき、完全な部屋感覚となる。

 子供のころから「畳張りの自動車があれば足が伸ばせてどんなに楽だろう」と密かに思ってきたボクである。それに近い発想であったことから感激してしまった。さらにその下に収まっているのは、高価な貴金属を使わない液体燃料電池である。このお茶の間感覚とハイテクの融合は、まさに日本のお家芸だ。車名の「商」の文字からして移動販売車を想定したものであろうが、ステージに見立てて移動寄席に使うのも面白いかもしれない。

 いや、ぜひ飛行機のボーディングブリッジ状の家屋直結コネクターを装備して、駐車中は家屋のひと部屋として使えたら、これまた便利なのではないか。東京だけではもったいない。残念ながらダイハツは2013年1月末をもって欧州市場から撤退を決めているが、この「FC商CASE」なら、ドイツ・デュッセルドルフで毎年秋開催されるキャンピングカーショーに出品しても、かなり受けると思う。

 ■後出しじゃんけん?

 そのダイハツは、「PICO」と名付けた街乗り用電気自動車も出品した。全国知事会による「高齢者にやさしい自動車コンセプト」の提唱に呼応したもので、軽規格よりもさらにひとまわり小さい全長2400mm×全幅1000mm。タンデム(縦列)の2人乗りである。原動機付き自転車と軽自動車の中間に位置する乗り物を目指したという。

 スズキも同様に、2人乗りタンデムで原付と軽の間を狙ったEVコミューター「Q-Concept」を展示した。普通のクルマ1台分のスペースに3台が止められる大きさである。

 しかしながら、こうした街乗り用超小型EVを見て思い出すのは、2010年パリ・モーターショーでルノーが発表した「トゥイージー」である。本来ならば軽が得意な日本メーカーのお家芸であるはずのジャンルが、外国メーカーより後になってしまった。そのあたり、「iPod」にシェアを奪われてしまった日本の携帯音楽プレーヤーのようで、なんとも歯がゆい。ましてや、「PICO「」Q-Concept」とも「トゥイージー」と同じ跳ね上げ式ドア・タンデム2座を採用しているものだから、意地悪な外国メディアのなかには、「後出しじゃんけん」的に書くところもあるのではなかろうか。

 たとえ仮にでもいいから、原付自転車と乗用車の間の、いわばグレーゾーンぽくなっている、EVコミューターに関する法制度への改正働きかけや、メルセデス・ベンツがスマートを発表したときのごとくクラッシュ・セーフティにまで踏み込めば、もっと社会的な話題となったかもしれない。

 それでも、前述の軽コンセプトカーは、会場で外国人報道関係者や外国メーカー関係者から注目を浴びていた。彼らからは、ボク同様「ここでしか見られない」感が漂っていた。たとえばスペインから来たジャーナリストは「ダイハツは(スペイン領の)カナリア諸島では走っているが、本国では販売されていない」と、貴重な機会であることを強調した。フランスから来て1週間滞在するというテレビクルーは、スズキのQ-Conceptを前に、「何といっても可愛い。オートバイのイメージが先行するスズキが、こういうクルマも作っているのが面白い」と筆者に語った。

 思えば、前回2009年の東京ショーでは、スズキの展示車をドイツ人グループが取り巻いていた。フォルクスワーゲン(VW)が望んでいたのはスズキの軽自動車技術であった。今は複雑になってしまった両社の関係だが、彼らがVWの人間だったとすると、実はあのときからスズキに注目していたのかもしれない。

 ■イタリア土産に軽カタログ

 かくも「軽こそ東京モーターショーの華」と密かに信じているボクだが、軽のもうひとつのお楽しみは、最新軽乗用車のメーカー純正アクセサリー・カタログである。オートワイパー、オートライト、IRカットフィルム、太陽電池で光る灰皿、と、ドイツ製高級車もびっくりのオプションが並ぶ。

 BMWの新ブランド『i』シリーズは、電気自動車やハイブリッドを示すシンボルとして青い光が車内外で光るようになっているが、最低グレードの希望小売価格79万5千円で話題になった『ダイハツ・ミラ・イース』のアクセサリーには、ダッシュボードを引き立たせる青いイルミネーションがとっくに選べるようになっている。言っておくが、軽ですよ、軽。ボクはそれらを眺めていると、職業別電話帳の「探偵」の覧を読んでいるのと同じくらい楽しくて時間を忘れてしまう。

 今年イタリアへの土産は、この日本製軽のアクサセリーカタログにした。クリスマスパーティーの席上、こちらのクルマ好き野郎たちを驚かし、呆れさせるのに強力な「ねた」になること間違いなしだからだ。

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