現在位置:asahi.com>愛車>加藤久美子の乗ってナンボ> 記事


加藤久美子の乗ってナンボ

ゴルフ・トゥーランの長距離レポート


写真
写真
写真

 2004年2月に日本に初登場したゴルフ・トゥーランは、VW初の7人乗りミニバンとして人気になりました。数ある輸入ミニバンの中でも、VWゴルフの人気や知名度も手伝って、発売以来、輸入ミニバン販売台数のナンバーワンを誇っています。


 今回試乗したトゥーランは、今年4月に登場した2代目モデルですが、発売4週間ですでに受注が1000台を超えました。外観はデビュー当時のおっとりとした草食動物系から、精かんで引き締まった肉食動物系の風貌に一新。クロームが多用された重厚感のあるグリルまわりが印象的です。


 新型トゥーランで注目すべき最大のポイントは、「ゴルフGT」に採用されたTSIエンジンでしょう。高出力と低燃費という相反する要素を高い次元で両立した革新的なエンジンで、新型トゥーラン全車に標準装備されています。

 スーパー・チャージャー(S/C)とターボチャージャーという2つの過給機を直噴エンジンに組み合わせ、上級グレードの「TSI ハイライン」(1400CC)では170PS/240Nm、「TSI トレンドライン」(1400CCでは)で140PS/220Nmの高出力を実現しています。


 今回はほとんどが高速道路でしたが、いずれのシーンにおいても1400ccのエンジンだという感覚がまったくありませんでした。体感的にも実際のパワーも2000ccクラスのエンジンです。

 さらに、このエンジンに組み合わされるフォルクスワーゲン独創のトランスミッション6速DSGも、実に快適しかもパワフル、そして滑らかです。シフトショックを感じることは皆無で、ATのイージードライブはもちろん、MT感覚のきびきびとした走りを楽しむこともできます。

 もちろん、初代トゥーランからの魅力である4.5メートル以下のコンパクトなボディ+7人乗車+多彩なシートアレンジは健在です。最小回転半径も5.3メートルで、同じく7人乗り国産車以下の小回り性能のよさも魅力的。交差点のUターンでためらうことはありません。


 ラゲッジルームの室内高も十分。3列目のシートをたたむと、通常サイズの車椅子でも立てたまま収納できます。3列シートの出し入れもとても簡単。ひとつの動作でシートをたたんで荷室を広くすることができます。

 ちなみに、ハイラインもトレンドラインもグレード名は「TSI」で外観も大きくは変わりませんが、「TSI」のエンブレムの色が、ハイライン→「SI」、トレンドライン→「TS」という違いがあります。税込み275万円(トランドライン)という値段なら、国産ミニバンとも十分に競合できます。


 今回も5月上旬のゴールデンウィーク期間を利用して、昨年のアルファードハイブリッド同様、往復3000キロの長距離を走行してみました。首都圏を起点に東名高速〜名神高速〜中国(復路は山陽)道〜九州道を往復するコースです。総走行距離は3042キロでした。


 行きは夕方の出発だったため、さすがに深夜12時を過ぎると眠くなり、サービスエリアで仮眠を取りながらのドライブでしたので、1000キロ走行が17時間も掛かってしまいました。深夜に仮眠をした場所は関が原近辺で、外気温はなんと2度。もちろんエンジンは切って眠りましたが、長袖Tシャツ1枚+薄いフリースの毛布一枚でも何とか寒さをしのぐことができました。寒いときの車内は想像以上に底冷えするものです。もしかして、トゥーランはとても断熱性がよい車なのかも?

 一方、帰りは朝9時半に出発して横浜の自宅に着いたのが夜10時。途中1時間の事故渋滞を除くと、11時間半程度で帰ってきたことになります。やはり長距離走行は朝出発が効率的です。


 それにしても速すぎるのではないか? と周囲に言われましたが、休憩は2回の食事を入れて3回だけ。実際、3時間程度連続して走ってもまったく疲れないのです。トゥーランは大排気量のメルセデスやBMWではありません。排気量わずか1400cc。それなのに、ストレスも疲れもまったく感じることなく1000キロもの長距離を快適に走ってこられたのは、TSI+DSG+トゥーランという組み合わせがなしえたワザだと思います。

 TSIの長所はもちろん、排気量以上の高出力だけではありません。最大の魅力は燃費のよさです。では実際、どれくらいだったのか……。実測してみました。

 3042キロを走行するのに必要となったガソリンは、53.29+36+20+53.52+50=212.81リットル。燃費は、3042キロ÷212.81リットル=14.29。なんと、リッターあたり14.29キロという好燃費でした。

 実際、ゴルフ・トゥーランのカタログ・諸元表に記載されている燃費は、1リッターあたり、12.6キロ(10.15モード燃費)。カタログ数値よりもはるかに優秀な数字が実測できました。


 高速道路が抜群に快適な新型トゥーランですが、市街地の走行もお任せです。TSIエンジンは、エンジンの回転数が低い時(つまり市街地を流れに乗って走行するような速度)に、もっとも太いトルクが出る(エンジンのパワーが最も力強い)ように調整されています。なので、ストップ&ゴーが多い市街地や、都会の高速道路においても、メリハリのきいた運転が楽しめるというわけです。


 ガラス窓(とくにサイドウィンドウ)を通してみる光景がとてもクリアです。もちろん新車なので窓のガラスには傷もなければ透明度も高いのですが、何度も、窓が閉まっているのに、「あれ?窓が開いてる?」と勘違いしたことがありました。VW広報の方に聞きましたが、特に、トゥーランだけに特別なガラス素材を使っているわけではないとのこと。おそらく、窓が直立に近い角度で光の反射が少ない設計になっているからでは?ということでした。なるほど。それにしても、サイドウィンドウを通してみる景色が美しく、透明度が高かったことは新鮮な印象でした。ちょっとしたことですが、これも長距離ドライブのストレス軽減に貢献していたのかもしれません。

(2007/07/12)



このページのトップに戻る