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環境対策車の「本命」とされる燃料電池車の普及をめぐって、自動車各社の取り組みが過熱している。日産自動車は29日、燃料電池乗用車「エクストレイルFCV」を石油元売り大手のコスモ石油に納入したと発表した。日産として初の燃料電池車の商用化で、1台月100万円のリース契約となる。先行するトヨタ自動車やホンダ、外国勢との実用化競争が本格化しそうだ。
燃料電池車は、水素と空気中の酸素を反応させて発生する電気でモーターを回すもので、化学反応で生じるのは無害な水だけという究極のエコカー。温暖化を招く二酸化炭素も発生しない。水素タンクや触媒に白金などの特別な素材を使うため、販売価格は1台2億〜3億円すると言われ、各社ともリース契約が主流だ。
29日に横浜市のコスモ石油横浜事業所であった納車式典で、コスモの岡部敬一郎会長兼社長は、ガソリンの代わりである圧縮水素ガスを、車の床下に搭載する水素タンクに供給してみせた。コスモは営業エリア内で社有車として使い、走行データを日産に提供する計画だ。
環境車開発は自動車産業の今後を占う試金石だ。燃料電池車は世界のメーカーが90年代半ばから開発競争を重ねてきたが、現状ではトヨタとホンダが02年12月、日本の官庁向けに計5台を納入して乗用車で世界初の商用化に踏み出すなど、トップレベルにある。
トヨタは日米で計15台、ホンダも同10台の納入実績を誇り、日産は巻き返しが課題だ。日産はリース契約料をトヨタの月額120万円、ホンダの同80万円の中間に設定、夏までに他社へリースを拡大し、米国での公道試験にも入る計画だ。
各社に向けられた課題は、量産化による製作コストの低減や、心臓部の燃料電池(スタック)の自社開発、燃料である水素を車に供給する「水素ステーション」の整備などがある。
日産の場合、スタックは米UTCFC社(本社・コネチカット州)製を用いており、自社開発が急務。日産の小枝至会長は「採算のとれる単価にまで価格を下げたい」と意気込む。
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《キーワード》環境対策車
排出ガスのなかに人体に有害な物質が少ない車。(1)圧縮天然ガス車(2)電気自動車(3)メタノール車(4)ハイブリッド車(5)二酸化炭素の排出が少ないガソリン車――の5車種が実用段階にある。燃料電池車は量産化にもう一段の技術革新が必要とされ、特に「次世代環境対策車」と、区別して言うことが多い。
| 燃料電池車をめぐる最近のおもな動き | | 02年12月 | トヨタ自動車とホンダが、乗用車として世界初の燃料電池車実用化。計5台を経済産業省など官庁にリース販売契約で納入 | | 03年 1月 | 米ブッシュ大統領が一般教書演説で燃料電池車の研究開発のため12億ドルの投入発表 | | 7月 |
米ゼネラル・モーターズが米宅配フェデラルエクスプレス日本法人に燃料電池車1台を無償貸与 | | 10月 | ホンダが寒冷地での使用を可能とする燃料電池「ホンダFCスタック」の自社開発 | | 12月 | 独ダイムラークライスラーが東京ガスに燃料電池車納入 | | 04年 3月 | 日産自動車が燃料電池車のリース販売を開始し、コスモ石油に1台納入。1台月100万円 | |
(03/30)
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