現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ライフ
  3. 愛車
  4. The SCENE 2012 by 宮田正和
  5. 記事
2012年10月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加

22年ぶり母国GP日本人表彰台 世間の反響が示す現状

写真:CANON EF85 f1.2L II USM + 1DMK4 SP:1/125 F:1.2 (絞り優先 -0.7補正)拡大CANON EF85 f1.2L II USM + 1DMK4 SP:1/125 F:1.2 (絞り優先 -0.7補正)

写真:CANON EF500 f4.0L IS II USM + EX1.4 + 1DMK4 SP:1/50 F:22.0拡大CANON EF500 f4.0L IS II USM + EX1.4 + 1DMK4 SP:1/50 F:22.0

写真:CANON EF200 f2.0L IS USM + 1DMK4 SP:1/1600 F:2.0 (絞り優先 -0.3補正)拡大CANON EF200 f2.0L IS USM + 1DMK4 SP:1/1600 F:2.0 (絞り優先 -0.3補正)

写真:CANON EF400 f2.8L IS II USM + 1DMK4 SP:1/500 F:4.0拡大CANON EF400 f2.8L IS II USM + 1DMK4 SP:1/500 F:4.0

写真:CANON EF400 f2.8L IS II USM + 1DMK4 SP:1/200 F:2.8 (絞り優先 -0.3補正)拡大CANON EF400 f2.8L IS II USM + 1DMK4 SP:1/200 F:2.8 (絞り優先 -0.3補正)

写真:CANON EF200 f2.0L IS USM + EX1.4 + 1DMK4 SP:1/1000 F:2.8 (絞り優先 -0.3補正)拡大CANON EF200 f2.0L IS USM + EX1.4 + 1DMK4 SP:1/1000 F:2.8 (絞り優先 -0.3補正)

写真:CANON EF85 f1.2L II USM + 1DMK4 SP:1/8000 F:1.2 (絞り優先 -1.7補正)拡大CANON EF85 f1.2L II USM + 1DMK4 SP:1/8000 F:1.2 (絞り優先 -1.7補正)

 先週、鈴鹿サーキットで開催された日本GPで22年ぶりに、小林可夢偉が日本人として2人目の3位表彰台に上った。M.シューマッハが引退を表明し、小林可夢偉が3番グリッドを得たたこともあり、3日間の合計入場者数でも昨年を9000人上回る20万8000人となった。(主催者発表)

 初めて日本人が母国GPで表彰台に上ったのは1990年のF1日本GP。当時ラルースに乗っていた鈴木亜久里が3位表彰台に上って以来のことだ。レース関係者にとっては「快挙」となるのだろうが、果たして世の中の反応はどうなのだろうか? 誰もが期待していた日本人の母国グランプリでの表彰台となれば……

 正直にいえば僕ももっと盛り上がると期待や希望を抱いていた。だが世の中の反響を思った以上に小さく感じているのは僕だけだろうか?

 確かに翌日の全国紙にも写真入り記事は掲載されていたし、中には一面に掲載している新聞もあった。だが僕の周囲で20代の若者がF1を開催していることを知らなかったり、小林可夢偉の3位を知ったのはウェブや新聞だったという人数が想像以上に多いことに実は驚きを隠せなかった。

 以前なら「テレビを見てたよ」とか「鈴鹿に行ってた」というのが割と当たり前だった気がするのだが、今年からホスト局が地上波での放映を止め、BS、CSでの放送のみとなったことも影響しているのかもしれない。以前ならコアなファンでなくても何気なくチャンネルを合わせてF1中継見る機会もあり、そこからファンになるというパターンもあったのだろうが、現状ではライブで見たければ有料になり、無料で見るためにはBS放送を受信できるシステムが必要だし、他の国ではあり得ない録画中継で深夜帯の放送となる。

 もちろん主催者側も考えて欲しいことがある。なぜF1の翌週にしかも日本GPの翌週でさらにF1は連戦で韓国GPがあるのに、同時に富士スピードウェイではWEC(世界耐久選手権)が開催され、さらにツインリンク茂木ではMOTO GPが開催される。つまり同じウィークエンドに世界的なレースイベントが日本とアジアで3つ同時開催されることになる。実際に鈴鹿のF1に行ったので、行ってみたいけど今週は自粛します(笑)というファンも大勢いるが、F1もオートバイも、そして耐久レースも見てみたい、そんなファンも少なくないと思う。

 これではモータースポーツファンに戸惑いを与え、ファンの分散化に繋がるだけではないか。様々な事情はあるにせよ、実にもったいない連戦、同時開催だと思う。

 そしてメディアの力は大きく、その中でも特に放送媒体の宣伝、集客効果は飛び抜けて高い。だがわずか数十秒のニュース映像でも他局が放送できないようなシステムはどうなのだろうか? もちろん放映権やその他の権利関係の問題があるのは理解できる。だがF1やモータースポーツを本当に広めたいと思うのならば、その辺りも改善していかなければならないだろう。

 そして現実を見ると、F1グランプリをはじめとするモータースポーツを扱うメディアは年々減少傾向にあり、媒体も限られてきている。もちろんこれはメディアやマスコミ関係者の責任でもある。視聴率や販売部数に拘るあまり、肝心の内容が薄っぺらで安易なように感じてしまう。これは見方によっては自業自得かもしれないのだが、それで済ませるわけにはいかない。自分も関係者の一人として何をするべきか真剣に考えていきたい。

 これからもしかしたらモータースポーツの存在自体を問われることになるかもしれない。もちろんコストの削減は必要だが、最新のテクノロジーやアイデアを取り入れることが困難なレギュレーション、こんな状況下で新しい技術開発を実験することすら難しくなり、どこを見ても「エコ」だらけ、まるでブームのようなこの言葉。大排気量車に乗っていることがまるで罪悪のように言われることもある風潮の中で、ガソリンをはじめとする石化燃料を使用する自動車レースが本当に必要なのだろうか。どうやら根底から見直し考える必要のある時期が来ているのかもしれない。

by F1SCENE

BOOKLINK

プロフィール

写真

宮田 正和 Masakazu MIYATA

 1957年東京浅草生まれ。1987年、ブラジルグランプリでF1を初撮影。マシンの持つ美しさ、人間模様にひかれ、1988年より、F1グランプリなどモータースポーツをメインテーマとして活動を続ける。
 2004年、記事主体の既存F1誌に満足できず、最高の写真を見せたいと、グラフィック誌F1SCENEを創刊。編集拠点をF1の本拠地ヨーロッパに移し、ヨーロッパの文化と日本の感性の融合を合い言葉に「Team ZERO」を率いて「出版の壁」に挑む。

検索フォーム

朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介

アンケート・特典情報