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伝説の「闘牛」、現実離れしたスーパーカー2007年02月16日 ■ランボルギーニ ムルシエラゴ LP640 MY07
640馬力という桁違いのパワー。それを支えるのが6.5リッターという排気量。アイドリング中でも、後部左右の赤いテールランプの下にある黒々としたラジエター口からは、なま暖かい空気が吹き出している。地球温暖化――何ですかそれ?という荒い鼻息が聞こえるようだ。「ムルシエラゴ」とは19世紀の伝説の闘牛。エンブレムにも猛牛があしらわれたランボルギーニの、あこがれのスーパーカー。街乗り大衆車ユーザーがどこまで近づけるのだろうか。 かもめの翼のように上に持ち上がるガルウイングのドアから乗り込むと、まるでコックピット。座るというよりは沈み込むという感じで、目線が低くなる。赤と黒の内装が私好みだ。ギアは6速のパドルシフト。ステアリング裏側の左右にある「櫂」のうち右側を手前に引くとシフトが上がり、左側を引くと下がる仕組み。パネルにシフトが表示される。パーキングブレーキは左ハンドル車なのに、左のドア側にある。いったん引き上げてからボタンを押すカラクリ。何もかもが違う。これってレーサー気分? そして、30キロ刻みで目盛りが刻まれたスピード計は360キロまで続く。 おそるおそる発進。左ハンドルだと、車体がふくらんでいるため、右側後方が見にくい。助手席に座った「外車師匠」が右から後方確認してバイパスに入る。一人で街乗りするには不向きな車? 後ろなどほとんど見えない。振り向かずに疾走するのがコンセプト――確かにF1で縦列駐車は似合わない。 アクセルを踏み込むと、エンジンが吠える。あのキューンというF1マシンの音だ。一気にスピードが跳ね上がる。メーカーによると、時速が0から100キロまで駆け上がるのに3秒強という加速性能。まさにGを感じる。初めて飛行機に乗った時に似た緊張感が走る。最後まで踏み込むと、時速360キロ? かもめの翼がついていれば、そのまま離陸…現実は、その4分の1にも満たないところで、アクセルから足を離してしまった。飛び立てなければ、前のクルマに突っ込みかねない。 低速で走ると、路上の砂が床に当たる音がうるさい。道のデコボコがそのまま振動となって伝わってくる。サスペンションを固めにして、低い車高の車体が傾かないようにするためだという。ブレーキの利き方も普通の車とは全然違う。カクカクといった印象だ。「300キロで走っているのを止めなければならないのだから」と隣の外車師匠が解説。確かに、路地から飛び出された時のためには、しっかりと作動してもらわないと困る。 フルタイム4WD。この走りで07年からはETCも標準装備されて3000万円強は、多分、お買い得だ。私自身の手が届くのは、創業者のDNAを受け継ぐトニーノ・ランボルギーニの、ゼロが3つ少ない自転車がせいぜいだが。 【スペック】
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