原料からの効率で考える
ハイブリッド車と燃料電池車。どちらが環境(かんきょう)への負荷がより少ないか。ハイブリッド車はガソリン、燃料電池車は水素を使う。1リットルで何キロ走るかという燃費では比較(ひかく)できない。トヨタ自動車は「総合効率」という新しい物差しを提唱している。
採掘地(さいくつち)で掘り出した燃料の持つエネルギーの何%が車の走行に使われたかを調べる尺度だ。まず燃料の輸送や精製過程で失われるエネルギーを差し引く。次に走行時に熱になって逃げる分も除き、本当に走行に生かされた率だけを算出する。うたい文句は「Well to Wheel(井戸から車輪まで)」。
トヨタ車の中で最も総合効率が高いのはハイブリッド車の新プリウス。原油エネルギーの32%を走行に使う。カローラなどガソリン車は14%。燃料電池車「FCHV」は水素の原料となる天然ガスの29%にとどまった。
原油は運搬(うんぱん)や精製で失うエネルギーが少なく、ガソリンになっても88%が残るが、水素は天然ガスから作る際に58%しか残らない。一方、走行時の効率はガソリン車だと16%にすぎないが、新プリウスは37%。FCHVはもっと高く、水素エネルギーの50%を使える。
トヨタはハイブリッド車と燃料電池車の総合効率を競わせ、40%以上に高めたいという。環境担当の渡辺浩之(わたなべひろゆき)専務は「経済産業省やエネルギー産業界に、車は我々が改良しますから、水素の作り方を変えてくださいとお願いしています」と話す。
車と燃料。双方の改善が、エコカーの「両輪」となる。
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