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復活の日への模索 ―スポーツカー今年の東京モーターショーでは、久しぶりにスポーツカーが注目されそうだ。日産GT―Rプロトだ。ミニバンやコンパクトカーブームに押され、スポーツカーの凋落が言われて久しい。一方で「子どものころからのあこがれ」「クルマの夢の象徴」というファンも多い。果たして、スポーツカーの復活はなるのか。
■「ファンにとっての夢のクルマ」 ―日産GT―Rプロト 報道関係者招待日の10月19日朝。日産ブースにはGT―Rの姿はなかった。舞台中央は巨大な円形のカーテンが下ろされていた。ただ、薄地の白い布地ごしに、赤く丸いテールランプが4つ、かすかに透けていた。中に何があるのか、誰の目にも明らかだった。 午後3時過ぎ、その瞬間は来た。カルロス・ゴーン社長の記者会見に合わせ、カーテンが上がり、黒い布が取り払われると、1、2階席を埋め尽くした報道陣からため息がもれる。100台以上のカメラのフラッシュが一斉に光を放った。 「フェアレディZを日産再生のシンボルとするなら、GT―Rは日産の躍動の象徴。世界にいる熱狂的なファンには夢のクルマでもあります」。ゴーン社長の声にひときわ力が入った。会見が終わってからも1時間以上、カメラマンが展示車を取り囲んでいた。 2001年の東京モーターショーで、日産は「GT―Rコンセプト」を出品。2003年のショーでは、ゴーン社長自ら「07年の東京モーターショーでは、私が市販モデルを披露する」と語っていた。 あと2年。その詳細はまだほとんど明らかにされていない。ただ、その丸型テールランプには、高度成長期の人々をわかせた名車を復活させる日産の意気込みと、ファンの思いが注がれていた。 ■大人に贈るスポーツカー ―日産フォーリア スポーツカーは80年代に入って、快適性や装備の豪華さなどを競って肥大化。その輝きを失う一因となった。原点に帰ろうとミドルサイズのシンプルなモデルが登場したが、その路線とも一線を画すのが日産のフォーリアだ。 2.5リットル、4気筒、FR。しかし、MTではない。長さ4350ミリ、幅1695ミリとコンパクトなクーペボディだが、広い室内空間を維持し、観音開きの前後ドアが広い開口部を確保する。その路線はきわめて微妙なところにある。 コンセプトは「大人の男女に贈るエレガントなスポーツカー」。狭苦しいコックピットでドライバーが汗を流すストイックなスポーツカーではないが、肥大化も拒む。優雅だが贅沢ではないスポーツカーが、どこまで未来の人の心をつかむだろうか。 ■運転の楽しさ、だれにでも ―ホンダ・スポーツ4コンセプト 一方、別の路線を模索する動きもある。「運転して楽しいクルマ」を一貫して追求してきたホンダのスポーツ4コンセプトには、スポーツカーの楽しさをだれにでも味わってもらいたい、という願いがこめられている。 眼目は、4輪それぞれにかける駆動力を自在に変化える技術「SH―AWD」。4輪の回転数やハンドルの角度、速度をコンピューターで分析・予測する。例えば、カーブの時は外側のタイヤにより大きな力をかけ、よりスムーズな旋回を実現する。 ホンダはこの技術を市販の高級車レジェンドに実装済みだが、このクルマはアコードをベースに開発された直4・2000〜2400ccクラス。同じ技術を、よりスポーティーな走りを実現する方向に生かしている。「運転の上手な人でも、あまり自信のない人でも、同じようにうまく走れます。運転する楽しさを共有できるんです」(広報担当者)。 4つの座席それぞれに、現在4輪それぞれにかかっている駆動力を表示するモニターがついている。4座席ともバケットシートで、全部が運転席のシートのようだ。「クルマが今どんな状態にあるのか知ることができたら、全員が運転を楽しめるでしょう」(同)。 スポーツカーは決して一部のマニアのものではない。そんな主張を強く感じる1台だ。 |
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