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アサヒ・インターネット・キャスター



松尾慈子の漫画偏愛主義 December  03, 2004
DEATH NOTE(デスノート)
原作・大場つぐみ 漫画・小畑健  集英社 税込み410円 4巻以下続刊
松尾慈子の顔写真
松尾慈子
1992年朝日新聞入社、金沢、奈良支局、整理部、学芸部などを経て、現在、名古屋本社報道センター記者。漫画好き歴は四半世紀超。
一番の好物は「80年代風の少女漫画」、漫画にかける金は年100万円に達しそうな勢いの漫画オタク。
バックナンバー エド村崎のフィルム・マニアーク


本の表紙
実を言うと、当コラムでは「週刊少年ジャンプ」の作品は取り上げないようにしてきた。ジャンプは03年の推定平均部数300万部。読者アンケートで人気をはかり、不人気なものは即座に切る、という編集姿勢だと聞く。つまり、ジャンプで連載が続く作品は、「それなりに売れている」ことが証明されている作品なワケだ。

ならば私ごときが今更書かなくても、と思っていた。しかし、ジャンプ掲載の「DEATH NOTE」(略称・デスノ)を一読して、「別格だ!」と思った。作品のレベルが、というよりも、おそらくは作者と編集の姿勢が。他の作品では、連載第一回を読むと「売れてやるぜ!」みたいな野心が透けて見えてしまうことがあった。デスノは違った。「この作品が売れるのは間違いない。問題はそこから先だ」といった、ものすごい自信がみなぎっているのを感じるのだ。そして、その自信は確信になったに違いない。読んでみて、初回からぐんぐん引き込まれていった。

舞台は現代の日本。死神・リュークは人間界に1冊のノートを落とす。そのノートに名前が書かれた人間は、その記述通りに死んでしまう「DEATH NOTE」(直訳は「死のノート」)だった。拾った少年は、全国模試1位の高校生・夜神月(ライト)。刑事を目指す彼は、このノートで悪党を次々に殺していき、犯罪の抑止力にしようとする。彼の目的は「新世界の神となること」。そこへもう一人の天才、「L」(エル)が登場し、彼を捕らえようとする。

こうして設定だけ書くと陳腐に思えるかもしれない。しかし、徹底してスキがないように物語を作り込んであり、読み応えがある。月の頭の回転はすさまじく、邪魔になるものは、自分に疑いがかけられないよう巧妙な罠で陥れていく。Lは月を見破れるのか、弛緩のない、緊張の連続のストーリーだ。

「正義」を掲げる月も、自分を追うFBIの捜査官たちを殺してしまう。またリュークが「デスノートを使った人間が天国や地獄に行けると思うな」と月に告げることで、犯罪者の殺害を正当化するのを避けている。かといって、月が一方的な悪党かというとそうでもなく、また悪の英雄でもなく、勝ち気で頭の回る生身の人間として描くのに成功している。Lの個性的な顔立ちに対し、月は正統派のハンサム顔で、「ヒカルの碁」の小畑健の端正な絵も魅力の一つだ。

しかし、Lと月の知恵比べが最大の見せ場とはいえ、モノローグが多いのはちと苦痛。ついでにいうと、時々、脳みそが物語についていかなくなる。4巻を読み終えて「あれ?」と思った点が2、3あるのだが、ほかの人に聞こうにも「バッカでー」と言われるのが怖くて、誰にも聞けない。30代半ばの私でこう思うってことは、この作品の主要読者層って何歳くらいなんでしょう?



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