ワック株式会社 WiLL編集部への申入書

 2018年6月7日  

ワック株式会社
WiLL編集部
編集人 立林 昭彦 殿

株式会社 朝日新聞社
広報部長 後田 竜衛

 

申 入 書

 

 貴誌7月号掲載「朝日新聞東京本社『国有地取得』の裏技」(筆者・水間政憲氏、以下、当該記事といたします)に、事実と異なる記載がありましたので、ご確認のうえ、弊社への回答ならびに次号での訂正を求めます。

1.「この売買は坪単価五十六万円で行われ、代金は十七億二百七十一万円」「当時の公示価格の約五分の一で取得していたことになります」(211頁)の記載。
 ご指摘の土地の取得価格は、17億円余ではなく約42億円です。坪単価は約138万円となります。このことは、当該記事で引用している弊社社史・昭和戦後編の664頁に明記されています。また、弊社保管の契約書の数字も同様です。弊社への確認取材が一切なかったことは誠に残念に思います。すみやかな訂正を求めます。
 なお、当該記事で売買の代金として指摘された「17億271万円」は当該土地の登記簿に記載されている買戻特約の代金を引用されたものと思われます。当該登記簿のこの数字は、実際の売買価格とは異なります。弊社が国に支払った金額は上記の通り約42億円です。
 1973年の築地2丁目の公示地価が坪単価約259万円だったことは事実ですが、弊社が不動産鑑定士に本社所在地(築地5丁目)の当時の実勢価格を試算していただいたところ、公示地価や路線価、土地の特性などを勘案し、坪単価約172万円との結果でした。大口の取引であること、当時は商業地としての熟成度が低かったことを考えると、大蔵省と弊社の取引価格は妥当性を欠くものではないとの見解を得ています。

2.当該記事は週刊新潮1973年1月25日号を長行引用しております。この記事に訂正が出ていることは、ご承知だったでしょうか。週刊新潮の訂正文では「国有地取得のため朝日社内に担当委員が作られ、同社トップが大蔵省当局に折衝挨拶を行なった旨のくだり」などが「事実に相違するので取り消します」と記されています。貴誌編集部でご確認のうえ、訂正など然るべき措置をしていただくことを求めます。

3.「都心の一等地である国有財産と交換する土地が、経済的市場価値のほとんどない山林(埋蔵縄文遺跡群)だとまずいので、大蔵省が『官舎を建てられる土地』であると対外的に言い訳できるよう、地目を『宅地』に変更したのでしょうが、文化財保護の観点から無理があります」
 「大蔵省も、少し調べれば、官舎など建てられないことくらいすぐわかったはずですから(中略)ほとぼりがさめるまでその土地を塩漬けにしました」(以上、210頁)の記載。
 上記記載は、弊社および大蔵省が「杉並の土地が官舎の建たない場所と知りながら、建つ場所であるような体裁を取り繕って、築地の国有地と交換した」かのように読めます。事実とはまったく異なります。弊社にそのような認識はありません。
 また、杉並区議会会議録(1973年第4回定例会)には、大蔵省が弊社との取引前の1972年10月から、区側と官舎建設についての事前協議をしており、162戸の建設計画を示していることが区長の発言として記されています。その後、同省は地元に配慮して計画を縮小する案を提示するなど、官舎の建設を進める意向であったことも書かれています。73年11月には当時の関東財務局幹部が、計画戸数をさらに少なくした案を区に示し「宿舎の建設はどうぞひとつ許してもらいたい」と建設を認めてもらうよう要請した、とも区長が明言しています。
 当該記事の上記記載の具体的根拠は何でしょうか。ご教示ください。

 以上、3点につき、貴誌としてのご見解ならびに対応を6月15日までに弊社広報部にお知らせください。

以上