有識者のご意見

朝日新聞社とSDGs

蟹江憲史氏 (慶応大学大学院教授)

 SDGsという新しい仕組みの認知を高め、行動を呼び起こしていくうえで、メディアの役割は極めて重要だと思います。朝日新聞が、世界の新聞社の先鞭(せんべん)をつける形でSDGsを継続的に取り上げ、会社を挙げて取り組んでいることは極めて先進的であり、心強く思います。

 条約や協定と異なり、SDGsの目標達成へ向けた取り組みは、様々な個人やグループ、組織の自主的なアクションに任されています。そうなると、どのようなアクションがSDGsに適(かな)ったものなのか、何から始めればよいのか、具体的な事例を知ることが大事になります。これまでの蓄積のうえに、これからもそうした事例を分かりやすく取り上げていただき、自律分散的なSDGsアクションのうねりを生み出していってほしいと思います。

 今後はさらに、「SDGs的でない」事を変えていく方策や、そのためのヒントを伝えていってもらいたいと思います。また、日本はとかく外の世界に対して閉鎖的になる傾向がありますが、国連や世界で起こっていることも積極的に伝え、同時に、日本の活動を世界にも伝えていってもらいたいと思います。




【プロフィール】かにえ・のりちか 慶応大学大学院教授、国連大学サスティナビリティ高等研究所シニアリサーチフェロー。SDGs策定過程で研究者の立場から提言し、政府のSDGs推進本部円卓会議構成員も務める。