現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>小原篤のアニマゲ丼> 記事 水没した未来と支配された日本2007年11月05日 とある夜。アニメ映画の試写会で一緒になった友人たちと飲んでいた折、「最近、水上都市とか、水没した未来とか、そんな設定の作品が多いけど、なぜ?」という話になりました。
「それはやっぱり地球温暖化への不安を反映しているからですよ」と私。 メンツの1人である元新聞記者でアニメ評論家の藤津亮太さんからは、「あまりに新聞的な分析」と苦笑されてしまいました。 新聞は「傾向と分析」が好きです。話題の本やら映画やらテレビ番組をいくつかピックアップして「傾向」を提示し、その裏にはこんな世の中の流れや人々の気分があるのでないか、と「分析」します。対象は本や映画に限らず、社会の出来事だったり、ヒット商品だったりもします。 たとえば「意味のない暴力が荒れ狂う作品が多いのは、殺伐とした現代社会の反映なのかもしれない」とか、「ノスタルジックな作品が当たるのは、不確かな未来への不安から、過去へ逃避しているのかもしれない」とか、「破天荒な主人公が目立つのは、閉塞感を打破してほしい願望の現れなのかもしれない」とか、いろいろあります。私も以前、「アニメでハーレムものが多いのは、女の子に囲まれた主人公の姿が、アニメやゲームの美少女キャラクターに囲まれた若者の現実を反映しているからかもしれない」などと書いたことがあります。 「ホントかよ?」という声が聞こえてきそうですが、まあまあ。「静かなブーム」とか「隠れたヒット」とうたった記事に「静かだったり隠れていたりしたら、ブームでもヒットでもないじゃん」などとツッコむのは野暮というものでしょう? 同様に、こんな「傾向と分析」も広い心と温かい目で読んでやってください。 今度は別の日の夕方。アニメ映画祭の懇親会(立食パーティー)で、「大国に支配された日本とか、分断された日本とか、鎖国した日本とか、そんな話が目立つ」という話になりました。 「それはやっぱりグローバル化で日本が脅かされているという不安の現れですよ」と私。隣にいた同年代のアニメ監督からは「それはあるんじゃないですかねえ」と同意をいただいたが、さて。 ともに酒を片手の、その場の思いつき。当たっているかもしれないし、そうでないかも。 ◇ 「アニマゲ丼」は、アニメや映画について思い浮かんだこと、取材のこぼれ話、身辺雑記など、雑多な素材を気ままに盛りつけるコラムです。よろしくおつきあいください。 プロフィール
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