現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>小原篤のアニマゲ丼> 記事 息子もグッスリ? 童話「カネゴン」2007年11月19日 息子の話です。私事ですみません。
とある夜、これから寝ようという息子(3歳)が私のところへ「これ読んで」と来ました。ふだんは母親と寝床に入るのですが、たまにご指名がかかります。「あいよ」。しかし、息子が差し出した本はと見ると、「怪獣画廊 開田裕治作品集」。絵本じゃないじゃん。 開田裕治さんは日本一の怪獣絵師です。ゴジラやガメラ、ウルトラシリーズの怪獣たちを、まさに「これしかない」というカッコいいポーズと構図で見せてくれます。着ぐるみのしわや素材感、電飾っぽい眼光を巧みに描き込むことで、空想の存在である「怪獣」の理想型と、テレビで見た着ぐるみの「怪獣」のリアルさを共存させるという離れ業をやってのけます。その開田さんがレーザーディスク(LD)のジャケットなどに描いた怪獣イラストを集めた画集が、この「怪獣画廊」です。 DVD、マンガ、アニメ・特撮系の本が並ぶ私の本棚を、息子にはふだんから勝手にいじらせていたのですが、奇妙なことに(奇妙でもないか)彼は特撮系の本にいたく関心を示し、この「怪獣画廊」はお気に入りの一冊。開田裕治好きの3歳児というのもオツなもんだわい、と思いつつ、布団に入ります。 「これは?」「ペギラ。口から冷凍光線を吐く」 「これはジャミラ?」「そう。本当は宇宙飛行士だったの」 パラパラとページをめくりつつ、バルタン星人の「フォフォフォフォ」の口まねなどをしてやりますが、テキは一向に寝る気配なし。だいたい本当に寝る気があるなら、母親に普通の絵本を読んでもらうのではないだろうか…。 「これは?」「キングジョー。体がバラバラになるロボット」 「これは?」「グドンとツインテール。ツインテールの肉はエビの味がするんだって」「へぇー」 ラチがあきません。仕方なくお話をすることにしました。しかし何を…と思案してページをめくると、夕日をあびて黄昏(たそが)れるカネゴンの絵が。これでいくか。 あるところに、おカネの大好きな男の子がいました。 ある日のこと、振るとおカネの音がするふしぎなマユを拾いました。 よろこんで家に持ち帰りましたが、男の子は大きくなったマユの中に飲み込まれてしまいました。 マユから出てきたらなんとビックリ、男の子は、大きな口に飛び出た目の、怪獣カネゴンになってしまいました。 おお、なんだか童話っぽい! 急ごしらえ、うろ覚えの童話「カネゴン」を語り終えましたが、寝る気配なし。「やっぱりママと寝る」と行ってしまいました。考えてみれば、私に「読んで」とせがむのは、「ゴジラ大辞典」(かなりマニアックな百科)だったり、「仮面ライダーV3」LDボックスのパンフレット(写真が豊富)だったり。絵本など持ってきません。合わせてくれているのは息子の方なのかも。 これは2年余り前の話。息子はいま5歳、「恐竜キング」に夢中です。 プロフィール
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