現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>小原篤のアニマゲ丼> 記事 ペンギンはガチャピンじゃない2007年12月10日 ペンギンには腰も膝(ひざ)もありません――いやあるのでしょうが、どのくらい曲げたり伸ばしたりができるのでしょうか? ペンギンの屈伸なんて思い浮かびませんし、かがむときは背中全体を丸めるようですし……。
でも、15日から公開されるソニー・ピクチャーズ・アニメーション製作のCGアニメ「サーフズ・アップ」では、ペンギンが器用にというか強引にというか、腰と膝でバランスをとってサーフィンをしています。この世界では多くのペンギンがサーフィンに興じており、物語はプロを目指す若いコディが、森に隠れ住むギークから手ほどきを受け、高慢なチャンピオンのタンクに挑みます。夢、挫折、成長、そして最後は、仲間を大切にする思いやり。王道パターンのドラマが、軽快な音楽と共に描かれています。 当然、見せ場はダイナミックな波に乗って進むサーフィン・シーンですが、まあるいお腹を突き出しボードの上にボテッと突っ立っているだけのような描写がときおり見受けられ、やや躍動感に欠ける感じ。寸胴のペンギンにかっこいいサーフィンのポーズをさせるのは無理なんじゃないの、と思えます。 今春公開された「ハッピーフィート」(ワーナー・ブラザーズ)もペンギンが主人公のCGアニメでした。こちらはペンギンに何をさせるかというと、タップダンス。足首から先しか動かないようなペンギンに、よりによってなぜタップ? 映画を見ると、短足タップはいかにも動きづらそうで派手さがなく、ジャズダンスやブレイクダンスっぽい踊りの方がダイナミックに見えました。一番華麗な動きを見せたのは、海の中で泳ぐ群舞。ペンギンだから泳ぎが一番うまいのは当たり前です。 たぶん両作とも物語を作るに当たり、「ペンギンが泳ぐのはありきたり。違うことをさせよう」とスタッフは考えたのでしょう。であるなら、短足とか寸胴といった欠点を踏まえた上で、それを克服するなり逆手に取るなりするドラマチックなアイデアが必要だったのではないでしょうか。例えば、ハンデだったはずのでっかい耳で空を自由に飛んでみせた子象ダンボのように。象が空を飛ぶ、ハンデが武器になる。その驚きが感動を呼ぶのです。 しかしアメリカ人はどうしてペンギンに、タップやサーフィンといったどう考えても無理そうなことをやらせるのでしょう。ガチャピンと間違えているんでしょうか。 プロフィール
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