現在位置:asahi.com>文化・芸能>コラム>小原篤のアニマゲ丼> 記事 夜のタクシーで「ハイお嬢様!」と叫んだ息子2008年01月14日 私事ですみません(毎回、私事みたいなもんですが)。また息子ネタです。
あれは確か2005年の暮れのこと。実家で食事をした夜、マンションへと帰ろうとタクシーに乗り込むと、4歳になったばかりの息子が突然「ハイオジョウサマ!」と声を張り上げました。「ハイお嬢様」? 「どしたの?」と見ると、楽しそうな顔をしてなおも「ハイオジョウサマ!」「ハイオジョウサマ!」。どうも運転手さん(男性)に向かって言っているらしい。いったい何事?? 「ああ、これは」――カミさんが謎を解きました。「サンダーバードよ」 私の書棚の本やDVDを勝手にいじっている息子は、この数カ月前から「サンダーバード」がお気に入り。DVDボックスを引っ張り出しては、ジャケット裏の写真を指さし「この話が見たい」と言ってとっかえひっかえ再生させます。美しい外箱がいじくり回され段々ボロボロになる様は心が痛みましたが「ソフトだって見てもらった方がシアワセというもの」と自分に言い聞かせ、私も時々つきあって鑑賞します。 言わずとしれた64年・英国製作のSF特撮人形劇。心躍るテーマ曲に乗って、孤島の秘密基地から国際救助隊のスーパーメカが発進していくカッコよさがたまりません。目的別におなかのコンテナを取り替えるサンダーバード2号は、子どもの頃プラモデルを買ってもらった記憶があります。息子に「何号が好き?」と聞くと「2号」。今も昔も子どもの好みは変わらないようです。 デジタルリマスターを施したDVDの映像は40年前の作品とは思えぬ鮮明さで、ミニチュアのディテールや絶妙な汚し具合がまたたまらない。人形を操るピアノ線もくっきり見えます。頭部を5本ものピアノ線を使って動かしていたんですね。むかしNHKの放映を見ていた時には気づきませんでした(当時のテレビじゃ見えなかったでしょう)。 現場でヒーコラ言いつつ救助に当たるトレーシー兄弟をさしおき、ドラマでおいしいところを持っていくのが貴族にして諜報員の美女ペネロープ(吹き替えは黒柳徹子さん)。流行のファッションに身を包み、元金庫破りの執事パーカーが運転するロールスロイスの後部座席に優雅におさまって、悪人を追い事件の裏を探ります。 とまあここまで書けばお分かりの通り、「サンダーバード」の世界にどっぷりハマった息子は帽子をかぶったタクシーの運転手さんを見てパーカーを連想、彼のおきまりのセリフを連呼したという次第。 ちなみにこの数カ月後、息子は教えた覚えもないのにDVDのリモコン操作をいつの間にか習得、私を驚かせました。それに気づいたのは、映像特典として収録されている池田憲章さんの解説を独りで見ていたから。メニュー画面を開いて呼び出したらしい。マニアックすぎやしませんか、きみ。 息子はいま6歳。先夜帰宅すると、画用紙にスーパーメカの写真を貼って作ったという「サンダーバードすごろく」を見せてくれました。まだ好きなのね。幼稚園に持って行くって? 分かってくれる子がいるといいけどなぁ…。 プロフィール
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