■ブルーノ・タウトの世界(群馬・高崎市)
群馬県高崎市郊外の少林山達磨(だるま)寺。木々に囲まれた境内の細道を行くと、小さな一軒家がある。「洗心亭(せんしんてい)」という。6畳と4畳半の2間に囲炉裏と小さな押し入れ、縁側だけの簡素なつくりだ。
「えもいわれず心をなごませる。この美しい風光にすっかり心を奪われた」。1934年8月から2年2カ月、ここに住んだドイツ人建築家ブルーノ・タウトは、畳の間から望む景色を日記につづった。
ドイツ時代から日本に関心が深く、日本人の質素な生活、仏教的な無常観をつづった方丈記や徒然草などの古典を愛読した。達磨寺の廣瀬正史(せいし)住職は語る。