船頭の多い船が山に登ればつまらないが、頂上も雲海も突き抜け天に昇れば未踏の魔境が見えてくる。劇作家で演出家の三谷幸喜が、同じく劇作家で演出家の野田秀樹をタイトルロールに据えて書きおろした舞台「おのれナポレオン」が4月9日、東京芸術劇場でいよいよ、幕を開ける。
セントヘレナ島を舞台に、幽閉後、病死したとも暗殺されたとも言われる英雄・ナポレオンの最期に迫る歴史ミステリー。自作以外の芝居にはほとんど出ない野田と三谷との舞台初タッグだ。
共演は「歴史上のどんな人物も野田さんがやると面白い」と語る三谷が、「彼とからんで面白い人」を観点に案を練った。「客席から見られず悔しいが、見れば出たくて悔しくなる舞台にしたい」とナポレオンの愛人アルヴィーヌ役の天海祐希。その夫モントロン伯爵の山本耕史は、「稽古場が作品と同じくらい面白そう」。仇敵(きゅうてき)ロウ総督役の内野聖陽も「作家で演出家が2人だが、演劇という共通言語がわかっているから、けんかにならない。楽しい現場になるだろう」と期待する。