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【アーカイブ】初代ウルトラマン:1(それから)―91年4月

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■古谷敏さん:ヒーロー

【1991年4月29日朝刊】

 タレントショップが並ぶ東京・原宿の竹下通り。その一角に、頭でっかちのウルトラマンが入り口で見おろす店がある。おもちゃメーカーの「バンダイ」などが経営するウルトラマン商品専門店だ。おもちゃをはじめ、スリッパ、湯のみなどの雑貨が450種類。可愛らしい漫画で飾った生理用品もあった。店は全国で16店におよぶ。

 書店へ行く。児童書のコーナーに必ずウルトラマンの特集本が積んである。日本出版販売のコンピューターに登録されているウルトラマンに関する本は、176種類。いまの人気キャラクター「ガンダム」の190種類に劣らない。

 宇宙の平和を守る巨大な異星人「ウルトラマン」。TBSが円谷プロと共同で製作し、1966年7月から翌年4月まで放映された人気テレビ番組の主人公である。毎週ちがった怪獣と戦い、全編39話の最高視聴率は、40%を超えた。

 放映開始から25年。円谷プロは昨年、特撮映画「ウルトラマングレート」を、オーストラリアの映画会社と協力して10年ぶりに製作し、ビデオ販売に力を入れる。ヒーローは脈々と、いまに生き続ける。

 円谷プロ常務・満田かずほ(製作時の監督)は「熱中していた世代が、親になり、企業でも中堅となった。子どもと一緒に、特撮のなぞ解きをしたりして、懐かしんでいるのではないか」とみる。

 ウルトラマン以後「ウルトラセブン」など続編シリーズが7作製作された。毎年、衛星放送や地方局を含むテレビ各局で途切れなく再放送が続く。だが、視聴率が上がるのは第1作のウルトラマンである。続編第7作の「ウルトラマン80」を新作として放映していた80年には、本編よりも、再放送されていた第1作の方が高い視聴率をとったことさえあるという。

 第1作の衝撃と感動が、それだけ強かった、というべきか。

 監督だった実相寺昭雄はテーマの新鮮さをあげる。「日本は高度成長で急激に変わっていた。破壊される自然の象徴が怪獣であり、人間社会に報復する心情をこめた」

 ファンでもあるコラムニストの泉麻人は「『ヒーローもの』の原点となり、最近のアニメにも影響している。ディズニーと同じように、すでに古典となった。仮面のデザインと独特な動きには、宇宙人の印象がよく出ていた」と語る。

 ウルトラマンのぬいぐるみ衣装に入って、宇宙人を演じたのは、古谷敏。スターを志す22歳の大部屋俳優だった。(敬称略)(渡辺宏幸)

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