世界遺産に決まった富士山。登るもよし、見るもよし。魅せられた一人に日本文学者のドナルド・キーンさんがいる。富士について、そして日本人の美意識について語ってもらった。
キーンさんが富士山を初めて見たのは終戦直後。米海軍士官としてグアムで終戦を迎え、中国をへて日本に渡った。元々見たかったのは富士山ではなかった。
「日本語の教科書に『日光を見ないうちは結構と言うな』という言葉があり、どうしても日光東照宮が見たかったのです。しかし結構なのは最初だけで、ごてごてと飾り立てられた日光は、私にはあまり魅力的ではありませんでした」