【編集委員・中村俊介】たくさんの島々からなるインドネシア。ジャワ島東部のトロウランでは、かつての海洋交通の隆盛を物語るアジア各地の陶磁器が見つかっている。日本のNPOアジア文化財協力協会のメンバーが、2カ年かけて現地調査した。膨大な陶磁器片から中世アジア貿易網の一端が浮かび上がる。
トロウランは13〜15世紀、日本でいえば鎌倉時代から室町時代にかけて、ジャワを中心に栄えたマジャパイト王国の首都だ。協会は1920年代からほぼ百年にわたって拾い集められてきた3万点もの陶磁器片を昨年と今年、インドネシア国立考古学研究センターと協力して整理した。
その結果、中国、ベトナム、タイのやきものが中心を占めていることが判明。14、15世紀のものがほとんどだが、わずかながら、さらに古い中国越州窯の青磁や近世の肥前磁器、珍しいイスラム陶器やタイルもあった。